今くるよさん膵癌で死去 、相方・いくよさんと1日違いの命日

吉本興業は5月28日、ベテラン女性漫才コンビ「今いくよ・くるよ」のくるよさんが前日27日に膵癌のため大阪市内の病院で亡くなったと発表した。

京都市出身のくるよさんは、1970年に今喜多代に弟子入りし、高校の同級生で同じソフトボール部だった今いくよさんと漫才コンビ「今いくよ・くるよ」を結成した。細身でメイクの濃いいくよさんと、ふくよかな体型に派手な衣装のくるよさんが、互いのルックスやファッションをネタにした軽妙な掛け合いで人気を集めた。

1980年代の漫才ブームに乗って一世を風靡し、女性漫才師のパイオニアとして劇場やテレビ番組、CM、映画など多方面で活躍。1981年に「上方お笑い大賞」金賞、1982年に「花王名人大賞」最優秀新人賞、1984年に「上方漫才大賞」大賞など数々の賞を受賞した。

くるよさんは後輩思いの一面もあり、舞台衣装をプレゼントしたり食事をごちそうしたりしていた。お腹をポンとたたくしぐさや「どやさ」という言葉は、くるよさんを慕う後輩たちに真似され、代名詞的なギャグになった。

2015年にいくよさんが亡くなった後は、後輩の活躍を楽しみに過ごしていた。2022年4月になんばグランド花月で開催された吉本興業創業110周年特別公演「伝説の一日」に出演したのが最後の舞台となった。

関西演芸界の発展と振興に貢献したとして、2023年に「第26回上方演芸の殿堂入り」も果たしていた。吉本興業は「故人生前に賜りましたご厚誼に深く感謝しますとともに、謹んでお知らせ申し上げます」とコメントしている。