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zERC20 LimitedがzERC20 v2を公開

zERC20 Limitedは2026年11月4日、プライバシーツールの新バージョン「zERC20 v2」をメインネットで公開しました。

同ツールは、新しいチェーンへの移動や新トークンの購入、アプリのインストールを行わずに利用できる仕組みです。利用者はブラウザ上でFace IDや指紋などのパスキーを用いてアクセスでき、取引手数料となるガス用のトークンを用意する必要もありません。

zERC20は、既存のトークンにプライバシー機能を付加するシステムです。USDCなどのトークンを入金すると1対1で裏付けられた「z」版のトークン(zUSDC)にラップされ、プライベート残高として保有や支払いが可能になります。資金がプライベート残高にある間はブロックチェーン上で保有額が表示されず、アカウント間での支払詳細も記録されません。入金と出金の情報のみが公開記録として残る仕様です。ゼロ知識証明を活用することで、支払元や資金の出所を明かすことなく取引の正当性を証明します。

機能面では、ウォレットや取引所から送金してプライベート残高に入れられるワンタイムアドレスや、リレイヤーがトランザクション送信を代行することで実現するガス用トークン不要の設計が盛り込まれました。パスキーはiCloudキーチェーン、Googleパスワードマネージャー、1PasswordなどPRF対応の管理ツールに保存する必要があり(Bitwardenは非対応)、バックアップ手段として24語のリカバリーフレーズも用意されています。

このほか、相手にIDを教えずに支払いを受け取れるQRコードやリンク形式の受け取りコード、オンラインショップがETHやUSDCなどのトークンをプライベート残高で直接受け取れる店舗向け決済ページ、監査人や会計士などに残高や履歴の閲覧権限を共有できるビューキーなどの機能が備えられています。

安全対策とガバナンス体制

不正資金への対策として、入金の送り主および出金の受取人に対してChainalysisによるスクリーニングを実施します。制裁対象アドレスなどのブロックリストに含まれるアドレスは取引が行えなくなります。また、AWS Nitroエンクレーヴで稼働するアテスターサーバーがプライベート送金や出金を確認・署名する仕組みを取り入れています。法的な要請があった場合に限り、承認手続きを経た指定監査人がビューキーを用いて履歴を確認可能で、その利用履歴は公開ログに記録されます。

資金の保管はノンカストディアル形式をとっており、管理者はマルチシグ(複数署名)を採用しています。アップグレードはオンチェーンで公開予約されてから1日後に有効となる仕様です。暗号技術の面では、Groth16やNovaを利用するゼロ知識証明回路などをLean4でモデル化して形式証明を行っているほか、TEE(Trusted Execution Environment)を用いた秘密情報の検証プロセスも導入されています。

対応ネットワークとv1からの移行対応

公開時点における対応ネットワークおよびトークンは以下の通りです。

  • Ethereum:zETH、zUSDC
  • Base:zETH、zUSDC
  • Arbitrum One:zETH、zUSDC
  • BNB Smart Chain:zBNB
  • Polygon:zPOL、zUSDC、zJPYC

※zJPYCおよびzUSDCはzERC20が独自に提供する非公式のラップトークンであり、JPYC株式会社およびCircleは提供や推奨などに関与していません。

今回の公開に伴い、2026年2月にローンチされた「zERC20 v1」は、2026年11月4日0:00 UTC(日本時間9:00)をもってラップおよびプライベート送金機能が停止しました。v1からの出金手続きは2027年4月30日まで継続して行えます。

zERC20 LimitedのCEOを務めるMai Fujimotoは、v2を通じてユーザーの不満や不安を解消し、誰にとっても簡単なプライベート送金と受け取りの実現を目指したとコメントしています。

本記事はzERC20 Limitedの発表をもとに作成されました。

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