芝浦工業大学が人工ニューラルネットワークとバギング法を用いた高精度な地盤強度予測システムを開発
芝浦工業大学の稲積真哉教授率いるチームが、人工ニューラルネットワークとバギング法を組み合わせたAI技術による地盤強度予測システムを開発しました。
概要
本プロジェクトでは、地震が頻発する日本における都市開発にとって重要な地盤の安定性や液状化リスクを示す指標である支持層の深さをAI技術を用いて予測します。取得した地盤データは機械学習モデルの学習に用いられ、より精度の高い支持層の深さを予測することで、安定した建設現場を特定し、液状化リスクに対する都市開発が可能となります。
研究背景
地震による液状化はインフラを脅かす大きなリスク要因です。このリスクを管理するためには、土壌の状態を正確に把握する必要があります。しかし、従来の土質試験法では全ての土地を均一に評価するのは困難でした。そこで、地質データを活用し3Dマッピング技術を用いて、地盤が地震時にどのように反応するかを予測するシステムを開発しました。
研究概要
本研究では、標準貫入試験とミニラムサウンディング試験を用いて地盤データを取得し、人工ニューラルネットワークに組み込んで予測モデルの学習を行いました。その後、予測精度が従来よりも20%向上しました。東京都世田谷区の4か所を中心に支持層の分布を示す3次元マップを作成し、より適切なリスク評価が可能となりました。
今後の展望
高精度の予測モデルの開発は、地盤工学における機械学習の大きな可能性を示すものであり、これにより災害レジリエンスの高いスマートシティの実現が期待されます。今後は、地盤条件に地下水の影響を追加したモデルを開発するなど、更なる精度向上を目指します。
関連リンク: 研究成果公開サイト (https://www.shibaura-it.ac.jp/, 論文DOI:10.3390/smartcities7050113)
プレス提供元:ぷれにゅー