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トンミ・キンヌネン著の長篇小説 樹皮の下で が新潮クレスト・ブックスより刊行へ

新潮クレスト・ブックスより、フィンランドの作家トンミ・キンヌネン氏による長篇小説『樹皮の下で』が刊行される。発売日は2026年10月28日(元記事では10月28日(水)とも記載)となっている。かつてフィンランドとソ連のあいだで戦われた「継続戦争」(第二次ソ連―フィンランド戦争)を背景に、戦争の深い傷を抱えて生きた一人の女性と、その家族の姿を描いた作品だ。

歴史に埋もれた戦争の傷と家族の崩壊を描く

本作の舞台は、フィンランド北東部のロシア国境に近い町。死を迎えようとしている一人の女性は、戦争で心に深い傷を負い、亡き夫や子どもたちにも心を閉ざしたまま秘密を抱えて生きてきた。人生の最期まで続き、本人だけでなく家族をも破壊してしまう戦争被害に、巧みな構成と緊張感のある筆致で光を当てる。

各界からの反響と推薦の言葉

作家の中島京子氏は、兵士だけでなく戦争という究極の暴力に晒された人々が壊れてしまう事実に触れつつ、「小説は、それでも静かな希望を読者に残してくれる」とコメントを寄せている。

また、現地のメディアや機関からも評価が集まっている。トゥルン・サノマット紙は沈黙を守ることが著者の力強い小説の中心的なテーマの一つであるとし、銃後を守った女性たちもまた戦争の犠牲者であったことを描いていると評した。カレヴァ紙は、一人の人間が抱えるトラウマを通して精神的な苦悩により崩壊していく家族の姿がリアルに描かれていると指摘。フィンランド図書財団は、公式な戦争の語りからこぼれ落ちてしまった女性や子どもたちといった犠牲者に声を与える作品であるとしている。

著者トンミ・キンヌネン氏と訳者の古市真由美氏

著者のトンミ・キンヌネン氏は1973年、フィンランド北東部クーサモ生まれ。トゥルク大学卒業後、教師として国語と文学を教える傍ら舞台の脚本も手がける。デビュー作『四人の交差点』はベストセラーランキングで13週連続第1位を記録し、ヌオリ・アレクシス賞やキートス・キルヤスタ賞など多数の賞を受賞した。作品は20以上の言語に翻訳されており、『樹皮の下で』は同氏の6作目の小説となる。

日本語版の訳者を務めるのは、フィンランド語文芸翻訳者の古市真由美(フルイチ・マユミ)氏。これまでにトンミ・キンヌネン『四人の交差点』、イーダ・トゥルペイネン『極北の海獣』、ティモ・サンドベリ『処刑の丘』、アンニ・スヴァン『夏のサンタクロース』などを翻訳しているほか、編訳書に『わたしがわたしから自由になる日』、共著に『はじめて読む!海外文学ブックガイド』などがある。

書籍データ

  • タイトル:樹皮の下で(新潮クレスト・ブックス)
  • 著者名:トンミ・キンヌネン
  • 発売日:2026年10月28日
  • 造本:四六判、クレストカバー
  • 定価:2255円(税込)
  • ISBN:9784105902131
  • URL:https://www.shinchosha.co.jp/book/590213/

本記事は新潮クレスト・ブックスの発表をもとに作成。

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