泉屋博古館で住友春翠没後100年記念展が開催へ 近代美術コレクション公開
現在の住友グループの礎を築いた住友家第15代当主・住友吉左衞門友純(ともいと)(号 : 春翠、1864~1926)の没後100年を記念し、関心を寄せた近代美術を紹介する展覧会が開催されます。住友コレクションの優品から日本画、洋画、工芸まで、春翠のもとに集まった当代美術が一挙公開されるほか、かつて手許にありながら手を離れた一部の作品も併せて紹介され、当時の収集について復元的な検証が行われます。同展は泉屋博古館東京で2026年8月29日~10月12日に開催された後、泉屋博古館(京都東山・鹿ヶ谷)にて2026年10月31日(土)~12月20日(日)の日程で実施されます。


社会貢献の意識と美術収集の背景


元治元年(1864)、清華家(せいがけ)の徳大寺家の第五男として生まれた住友春翠(幼名・隆麿)は、父公純(きんいと)のもとで公家としての教養を身につけて育ちました。明治25年に住友家に養嗣子として入家し、翌年に家督を相続した春翠は、明治30年に欧米視察へ赴き、欧米諸国における企業経営の実態や実業家による社会貢献の在り方に感銘を受けました。

明治36年の第5回内国勧業博覧会では協賛会会長・評議員として尽力し、住友家の邸宅は国内外の賓客をもてなす迎賓館の役割を果たしました。邸宅を飾る美術収集にも注力し、日本画では田能村直入(たのむらちょくにゅう)、村田香谷、橋本雅邦らの作品を購入したほか、洋画では兄・西園寺公望の助言を受けて黒田清輝や山本芳翠を支援し、欧米視察時にはモネの作品を購入しました。さらに大阪への美術館設置を切望し、明治42年から大正3年にかけては美術館への寄贈を見据え、文展や巽画会(たつみがかい)などの展覧会出品作を集中的に購入しています。

大正の初め、住友家の本邸は約280年の歴史をもつ大阪の鰻谷邸から、春翠が建設の指揮をとった茶臼山邸に移りました。春翠は茶臼山邸の完成から2年後、美術館建設を条件に敷地を大阪市へ寄付することを決めます。
その後、展覧会での作品購入は減少したものの、茶臼山邸の建具一切を手がけた表具師・井口邨僊(そんせん)(井口古今堂(こきんどう)三代目)の取り次ぎを通じ、望月玉渓(ぎょっけい)や上田耕甫(こうほ)らの作品が多く収集されました。晩年の春翠は自らも書画を嗜みながら作家と交流を結び、その作品群には「家」と「私」の意識をあわせ持つ姿が表れています。本展では、春翠と作品とのめぐり合わせを時系列順に辿り、コレクション形成史を再考します。

展覧会の概要と関連情報
泉屋博古館における展覧会の基本情報は以下の通りです。
- 展覧会名:特別展 没後100年記念 住友春翠-仕合せの住友近代美術コレクション
- 会期:2026年10月31日(土)~12月20日(日)
- 会場:泉屋博古館(京都東山・鹿ヶ谷)
- 開館時間:10時 ~ 17時(入館は16時30分まで)
- 休館日:月曜日(11月23日は開館)、11月24日
- 入館料:一般1,200円、学生800円
- 主催:公益財団法人泉屋博古館、日本経済新聞社、京都新聞
- 公式サイト:https://sen-oku.or.jp/program/202610_shunsui100/
また、展覧会公式図録「没後100年記念 住友春翠 仕合せの住友近代美術コレクション」はB5版、192ページで、価格は税込2,300円となっています。

本記事は公益財団法人泉屋博古館、日本経済新聞社、京都新聞の発表をもとに作成しています。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



