滝口悠生氏の連作小説集歯ごたえと喉ごしが発売へ 川端康成文学賞受賞作などを収録
作家の滝口悠生氏による最新連作小説集『歯ごたえと喉ごし』が発売されることが明らかになりました。
本作の起点となったのは、鉄道開業150年を記念した鉄道小説アンソロジーに寄せられた短篇「反対方向行き」です。同作は2022年の第47回川端康成文学賞を受賞しており、今回の連作集にはこれを含む全6篇が収められています。
受賞作を起点に広がる連作集の背景
本書のきっかけとなった「反対方向行き」は、湘南新宿ラインを舞台に、目的地とは反対方向の列車に乗ってしまった女性の人生の回想を描いた作品です。
選考委員の荒川洋治氏は「鉄道の風景を通して、人生の軌道をたどる、新しさのある、楽しい短篇」と評し、角田光代氏は「思わぬところに連れていかれ、下車したら思いもしなかった光景が広がっていた、そう思わせてくれるラストだった」と言及しています。本作は2022年に第47回川端康成文学賞を受賞しました。
最新作『歯ごたえと喉ごし』では、「反対方向行き」の精神を引き継ぎながら、登場人物たちが複雑な関係性でつながり合う物語が描かれます。
収録作品のあらすじと物語の展開
本作は、レールとうどんでつながる人々の人生を描いた6篇で構成されています。
湘南新宿ラインで宇都宮に向かうはずが反対方向の小田原行きに乗ってしまい、車中で亡き祖父「竹春」との日々を思い出す「なつめ」の物語(「反対方向行き」)から始まります。月日が経ち、なつめの出張中に預けられた一人娘の「梅」を描く「テレパシーの手」、梅の父親でなつめと離婚している「美津夫」が運営を任された奥会津の温泉宿での出来事を描く「湯あたり」、居所が知れなかった叔父の「原郎」が台南でうどん屋を開いていると聞き現地を訪れる表題作「歯ごたえと喉ごし」など、次々と物語が展開していきます。
著者紹介と書籍データ
著者の滝口悠生氏は1982年東京都八丈島生まれで、埼玉県で育ちました。2011年に「楽器」で第四十三回新潮新人賞を受賞してデビューし、2015年に『愛と人生』で第三十七回野間文芸新人賞、2016年に「死んでいない者」で第百五十四回芥川龍之介賞を受賞しています。2022年には『水平線』で第39回織田作之助賞、翌年には同作で第73回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞しました。
書籍の詳細は以下の通りです。
- 著者: 滝口悠生
- 書名: 『歯ごたえと喉ごし』
- 発売日: 10月287日発売
- 仕様: 四六版クレスト装カバー、240頁
- 定価: 2200円(税込)
- ISBN: 978-4-10-335315-7
- URL: https://www.shinchosha.co.jp/book/335315/
本記事は新潮社の発表をもとに作成されています。
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