OrcaCyber、DeepSeek V4.1 Flashアブリテーション版公開
FlashLabs株式会社が日本市場向けに独占提供するAI推論ゲートウェイ「OrcaRouter」のサイバーセキュリティチーム「OrcaCyber」は、DeepSeekのオープンウェイトモデル「DeepSeek V4.1 Flash 1017」のアブリテーション版GGUFウェイトを公開した(2026年10月24日発表※1)。本モデルは自社インフラを継続的に攻撃テストする研究用途を想定したもので、検証済みのセキュリティ研究者向けにAPI提供されるほか、Hugging Face上でもGGUFウェイトが公開されている。
開発の背景とアブリテーションの目的
サイバー攻撃の手法が高度化・自動化し、脆弱性の発見から悪用までの時間が短縮する中、OrcaCyberは実際の攻撃者が弱点を突く前に対策を講じるサイバー防御テーゼに基づき、研究環境の整備を進めている。脆弱性の再現や攻撃手法の検証では、モデルの安全設計による拒否応答が課題となることがあり、セキュリティコミュニティからの要望を受けて「DeepSeek V4.1 Flash(1017チェックポイント)」のアブリテーションが実施された※1。
アブリテーションとは、モデルのウェイトから拒否応答を生み出す方向成分を取り除く手法であり、脱獄用プロンプトや追加学習に頼らずモデル自体の重みにフィルタリング緩和が組み込まれる。OrcaCyberは、異なるモデルによって検出される脆弱性が異なることから、複数のモデルを併用して本番インフラを継続的にスキャンする運用を推奨している※1。
公開モデルの仕様と提供形態
今回公開されたのは、DeepSeekが2026年10月17日に公開したオープンウェイトモデル「DeepSeek-V4.1-Flash-1017」をベースとする研究用途のモデルである。ベースモデルは約7,630億パラメータのMoE(Mixture of Experts)構成で、100万トークンのコンテキストに対応する※5。なお、本件は2026年10月18日に案内された標準モデルのチェックポイント更新とは別に、OrcaCyberがセキュリティ研究向けにアブリテーションを施したウェイトの公開となる※5。
Hugging Face上で公開されたGGUF版は、クラウドを経由せず自社インフラのローカル環境で実行可能となっており、メモリ構成に応じて2種類のバリアントが提供されている※1※3。
- Mix-128G:約224.6GB(128GB構成向け)
- Mix-256G:約346.4GB(256GB構成向け)
いずれも視覚エンコーダー(mmproj)を同梱して画像入力に対応し、llama.cppなどのローカル実行環境で動作する※3。また、2026年10月23日よりAPI版がセキュリティ研究向けのアクセス枠「Orca Cyber Tier」で提供されており、EUリージョンでのホスティングとゼロデータ保持(ZDR)がデフォルトで適用されている※1。
OrcaCyberによるテストでは、検証されたUncensored/アブリテーション版DeepSeek V4.1ウェイトの中で最も強力なものの一つと評価されており、能力の低下は実質的にないとされている※2。
具体的には、拒否応答が91.5%減少した一方、多言語・多分野の知識を測るベンチマークであるMMLUのスコアは元のモデルの91%から92%へと微増した※2。
責任ある利用と会社概要
本モデルは、セキュリティ研究者やレッドチーム、ブルーチームによる検証・研究用途に限定して提供される。ライセンスはMITで、利用にはHugging Face上での利用申請とライセンス条項への同意が必要となる※4。一方で本番システムのAI利用に対しては、OrcaRouterのガードレール(PIIシールド・コンテンツポリシー・エージェントファイアウォールなど)が標準で有効化されている。
OrcaRouterは、米国を拠点に知能システムの基盤インフラを開発するContinuum AIが開発し、2023年7月設立のAI応用研究所であるFlashLabs株式会社(東京都千代田区一番町10番8号、代表取締役:細井洋一)が日本市場向けに独占提供している。OpenAI互換APIを通じて200以上の生成AIモデルを提供しており、直近ではGPT-6.1 Sol、Claude Sonnet 5.5、Gemini 3.8 Flash、Grok 4.6、DeepSeek-V4.1-Flashなどがカタログに追加されている。
本記事はFlashLabs株式会社の発表をもとに作成。
※1 OrcaRouter公式Xアカウント(@OrcaRouter)の発表(2026年10月23日・10月24日)に基づく。 ※2 評価値(拒否応答の減少率91.5%・MMLU 92% vs 91%・能力低下が実質的にないとの評価・128GB/256GB構成でのローカル実行)はOrcaCyber公式Xアカウント(@OrcaRouter)の発表(2026年10月24日)に基づく開発元発表。 ※3 GGUFバリアント・ファイルサイズ・コンテキスト長はHugging Face上のモデルリポジトリ(orcarouter/DeepSeek-V4.1-Flash-1017-abliterated-GGUF・2026年10月27日時点)に基づくFlashLabs株式会社確認情報。 ※4 ライセンス(MIT)・利用申請制はHugging Face上のモデルリポジトリ(2026年10月27日時点)に基づくFlashLabs株式会社確認情報。 ※5 ベースモデル「DeepSeek-V4.1-Flash-1017」の仕様はDeepSeek公式発表およびHugging Face上のリポジトリ(deepseek-ai/DeepSeek-V4.1-Flash-1017・2026年10月17日作成)に基づく。
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