パナソニックHD開発主導のNessum、IEEE 1901-2026として承認
パナソニック ホールディングス株式会社(パナソニックHD)が開発を主導してきた通信技術「Nessum」が、国際標準規格「IEEE 1901-2026」としてIEEE Standards Association(IEEE SA)理事会において承認されました。
IEEE SAは、米国電気電子学会(IEEE:Institute of Electrical and Electronics Engineers)傘下の通信規格に関する標準化委員会です。今回承認されたIEEE 1901-2026は、パナソニックHDと、旧HD-PLCアライアンスを母体に2023年10月2日へ発足したNessumアライアンスの会員企業が中心となって標準化を推進してきました。
3つの規格を統合した包括規格を策定
IEEE 1901-2026は、IEEE SAが2024年9月に承認・設置したプロジェクトで審議・策定された通信仕様です。IEEE 1901-2010にIEEE 1901a-2019を統合したIoT向け通信規格「IEEE 1901-2020」に加え、IEEE 802.1Xの仕組みを導入して認証機能を強化した拡張規格「IEEE 1901b-2021」、多様な媒体で通信可能なAny Media通信を規定した拡張規格「IEEE 1901c-2024」を統合しています。
これまでの市場導入や運用で得られた知見が反映されており、高速・長距離通信、高い信頼性とセキュリティ、多様な通信媒体への適応性を兼ね備えた最新の包括規格となります。スマートグリッド、ビルオートメーション、業務用空調(HVAC)、監視カメラ、産業機器などの分野で活用が進むNessumエコシステムの共通基盤技術として位置づけられています。
既設配線から無線・海中まで対応する通信技術
Nessumは、電力線、制御線、同軸ケーブル、ツイストペアケーブルなどの既設配線に加え、無線や水中・海中など多様な通信媒体(Any Media)で利用できる通信技術です。なお、「nessum」およびそのロゴは、パナソニック ホールディングス株式会社の日本、その他の国における登録商標または商標登録出願です。
近年は脱炭素化やエネルギーインフラの高度化、AI需要の拡大に伴うデータセンターの電力消費増加などを背景に、スマートグリッドやビルオートメーションの分野で多数の機器をネットワークに接続して効率的に制御することが求められています。こうした状況のなか、有線通信だけでなく無線や水中・海中通信にも適用できる柔軟性を備えるNessumは、エネルギーマネジメントを中心とする多様な用途で採用が拡大しています。
半導体IPコア搭載デバイスの出荷台数は600万台を突破
パナソニックHDは長年にわたりIEEE 1901シリーズの技術開発と標準化活動を推進するとともに、国際標準規格に準拠した半導体IPコアの設計開発およびライセンス供与を行い、半導体メーカーや機器メーカーによる製品開発を支援してきました。また、Nessumアライアンス会員企業と協調しながら相互接続性の確保、市場開拓、エコシステムの拡大に取り組んでいます。
Nessumアライアンスが2026年8月25日に発表した情報によると、Nessum技術は業務用空調機器やスマートグリッド機器をはじめとする製品に採用されており、Nessum半導体IPコア搭載LSIデバイスの累計出荷台数は600万台を超えています。近年はエネルギー管理、設備制御、電力インフラのデジタル化を支える通信技術として採用領域が広がっています。
省線化ハーネスとしての採用とフィジカルAIへの期待
Nessumは電源供給と通信を1本のケーブルで実現できることから、ロボットや建設機械の省線化用途のハーネスとして採用されています。
AI技術の進展に伴い現実世界の機器や設備をリアルタイムで認識・制御するフィジカルAIへの注目が高まるなか、今後は多様なセンサー、アクチュエーター、設備機器を信頼性高く接続する通信基盤として、高度な自律制御システムの実現に貢献することが期待されています。
パナソニックHDは今後について、IEEEにおける標準化活動への継続的な貢献に加え、国際標準規格に準拠した半導体IPコアのライセンス供与およびアライアンス会員との協業を通じてNessum技術の世界的な普及拡大を推進する方針です。また、スマートグリッドやビルオートメーションをはじめとする社会インフラのデジタル化と高度化に貢献し、持続可能な社会の実現を目指していくとしています。
本記事はパナソニック ホールディングス株式会社の発表をもとに作成されています。
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