Grafana Labs、ObservabilityCON 2026にてGrafana Cloudにおける高速全文検索とスマートなデータ最適化機能を発表
Grafana LabsがGrafana Cloud新機能発表、ログ検索高速化やコスト削減
CATEGORY: テクノロジー
Grafana Labsは米国時間2026年10月20日、ObservabilityCON 2026において、Grafana Cloudの新機能を発表しました。Logline買収で得た技術をもとにクエリパフォーマンスを大幅に向上させたGrafana Cloud Logsの一般提供(GA)を開始したほか、Adaptive Logs Archiveをパブリックプレビューとして提供します。AIワークロードの拡大に伴い急増するテレメトリに対し、目的のログを素早く見つけ出し、コストに見合う価値のあるデータを選択して保持できるように支援します。
AI普及によるテレメトリ急増とコストの課題
AIの普及により、コーディングエージェントの登場で開発スピードが加速し、監視対象となるソフトウェアが増加しています。さらにAIエージェント自体も呼び出しのたびにテレメトリを生成するためデータ量はさらに増大し、AIの大規模運用ではコストとクエリの最適化が課題となっています。
Grafana LabsとETR(Futurum社傘下)が共同発表した「2026 State of Observability Report」によると、調査対象の300名のうち78%が昨年オブザーバビリティの支出が増加したと回答し、73%が今後も増加を見込んでいます。支出増加の主な要因には、スタックへの新製品追加(61%)や、AIによる開発加速に伴う監視対象の増加(60%)が挙げられています。
Grafana LabsのプロダクトシニアディレクターであるJen Villa氏は、費用対効果の最大化には価値あるデータのみを保持し柔軟に調整することと、膨大なデータから目的の情報を素早く見つけ出す能力の双方が不可欠であると説明しています。
2026年4月にGrafana Labsが買収したLoglineの技術を基盤とし、Cloud Logsでは追加コストなしで高速な全文検索が利用可能になりました。特定のリクエストIDや顧客IDなど、オブジェクトストレージ内にある出現頻度の低い値を含むログを素早く検索でき、エンジニアとAIエージェントの双方が迅速に対応できるようになります。
導入事例として、DATEV eGのOpenTelemetry & Grafana Cloud AdminであるTimo Kirzdörfer氏は、約1テラバイトのログ処理に3分かかっていたところ、処理対象データが約100ギガバイトまで減り処理時間も3秒未満になったとし、検索時の処理データ量が80〜90%減った効果を実感できたと述べています。
Adaptive Telemetryの機能拡充
メトリクス、ログ、トレース、プロファイルにわたってコストを最適化するAdaptive Telemetryスイートにおいて、複数の新機能が提供されます。Mux、TeleTracking、Auditboardなど、同スイートの複数コンポーネントを利用している顧客は、テレメトリのコストを平均30〜50%削減しているとしています。
今回のアップデート内容は以下の通りです。
- Adaptive Logs Archive(パブリックプレビュー):ログをオープンな形式で自社所有のオブジェクトストレージのバケットに振り分け可能にし、Grafana Cloudへの保存コストを抑えつつ低コストのストレージに保持できます。
- Adaptive Metrics Auto-Apply(GA):カーディナリティ削減の推奨事項を継続的かつ自動的に適用します。組み込みのセーフガード機能であるCost Modeにより、アクティブな時系列の総数を増加させない推奨事項のみを適用します。
- Adaptive Tracesで保持対象から除外されたトレースの検索(GA):サンプリングで保持対象から除外されたトレースを含め、過去24時間分のトレースをトレースIDで取得できます。
Rapid7のプリンシパルソフトウェアエンジニアであるCarl Eastman氏は、Adaptive MetricsとAdaptive Logsが不要なデータの分析を代行し推奨事項を提示するため、エンジニアは人間の判断が必要な少数のルール設定に集中できるようになったと語っています。
Grafana Labsについて
Grafana Labsの概要は以下の通りです。
- 提供サービス:フルマネージド型オブザーバビリティプラットフォーム「Grafana Cloud」
- 導入実績:1万社を超える組織(Anthropic、Bloomberg、NVIDIA、Microsoft、Salesforceなど)
- 組織体制:40カ国以上にチームメンバーを擁するフルリモート企業
- 主要投資家:Lightspeed Venture Partners、Sequoia Capital、GIC、Coatue、J.P. Morgan、CapitalG、Lead Edge Capital
- 公式サイト:grafana.com/ja
本記事はGrafana Labsの発表をもとに作成しました。
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