アドベンチャーワールド キタイワトビペンギンの有精卵確認 成功なら世界初の快挙へ
和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドは、絶滅危惧種に指定されているキタイワトビペンギンの域外保全および繁殖技術の確立を目指し、今繁殖期における人工授精を実施した。対象ペアから産卵された卵を検卵したところ有精卵であることが確認され、孵卵器の中で順調に発生が進んでいる。誕生した雛がDNA鑑定で人工授精による受精と証明された場合、キタイワトビペンギンにおける人工授精の成功としては世界初の快挙となる(2026年10月時点自社調べ)。
人工授精の取り組みと背景
キタイワトビペンギンは、IUCN(国際自然保護連合)レッドリストにて危機(EN)に指定されている。気候変動や海洋環境の変化等によって野生下の生息数が激減しており、持続可能な飼育下繁殖技術(人工繁殖技術)の確立が急務とされている。
アドベンチャーワールドでは今繁殖期、産卵前後の期間にかけて計6回の人工採精およびメスへの精子注入作業を完了させた。
DNA鑑定による科学的検証
キタイワトビペンギンは通常卵を2個産卵する。現在、ペア(個体識別番号:R041 × R045)の1卵目について有精卵の生育が確認されている。
ただし、同ペア間では同じ期間中に自然交尾の可能性も残されているため、現時点でこの有精卵が人工授精によるものか自然繁殖によるものかを特定することはできないとしている。そのため、10月下旬の孵化後、約1か月後に実施するDNA鑑定(父子判定)を経て、人工授精の成否を科学的に判定および公表する予定となっている。
今後のスケジュールと一般公開
動物の体調や生育状況により、スケジュールおよび公開エリアが予告なく変更となる場合があるとした上で、今後の予定が公表されている。

- 10月25日(日):嘴打ち(ハシウチ)予想。嘴打ち確認後、ペンギンベース1階にて様子を一般公開予定
- 10月27日(火):孵化予想。初期人工育雛をペンギンベース1階にて公開予定
- 11月中旬:赤ちゃんの親元復帰。復帰に伴い、赤ちゃんはペンギンベース2階(非公開エリア)へ移動
- 12月頃:DNA鑑定(父子判定)結果が出る予定
- 分類:ペンギン目 ペンギン科
- 学名:Eudyptes moseleyi
- 英名:Northern Rockhopper Penguin
- 生息地:南極大陸周辺、インド洋の亜南極地帯
- 食性:魚類、イカ、オキアミなど。アドベンチャーワールドでは主にシシャモやイワシなどを給餌
- 繁殖:周囲を崖で囲まれた平地やゆるやかな傾斜地で草や枝などを使って巣を作り、2個の卵を産卵。抱卵はオス・メス交代で実施
- 体長:55~65cm
- 体重:3.5〜4kg
- 特徴:目の上から後頭部にかけて伸びる、長く鮮やかな黄色の飾り羽が特徴。陸上では岩場を歩くだけでなく、両足で跳ねるように移動する
本記事はアドベンチャーワールドの発表をもとに作成。
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