豊田通商、米ChEmpowerに出資 研磨材フリーCMP技術で資源循環目指す
豊田通商株式会社は、半導体製造プロセスにおける CMP(Chemical Mechanical Polishing)向けケミカル材料の開発を手掛ける米国のスタートアップ企業 ChEmpower Corporation(以下、ChEmpower 社)へ出資を行った。投資側が一定の条件で株式を将来に取得できる権利である SAFE 型新株予約権の発行を通じて実施した。独自の化学技術を活用した材料供給や廃液リサイクルを通じ、半導体製造における環境負荷低減を図る構えだ。
出資の背景とCMP工程の課題
近年、AI データセンターの拡充やスマートフォンの高性能化などを背景に、半導体需要は世界的に急拡大している。一方で、薬品と研磨材を用いて表面の凹凸をなくし平らにする半導体製造の主要プロセスである CMP 工程においては、大量の研磨粒子や超純水が使用されることから、材料の廃棄ロスやそれに伴う高い環境負荷の低減が業界共通の重要課題となっている。
豊田通商グループは半導体プロセスケミカルの取扱実績を有しており、これまで半導体製造における環境負荷低減へ貢献するソリューションの検討を進めてきた。
研磨材フリー技術の特長と出資の狙い
ChEmpower 社は、独自の化学技術を活用した「研磨材フリー(砥粒レス)CMP ケミカル」および「研磨パッド」を開発するスタートアップ企業である。従来の CMP 工程で不可欠であった研磨粒子を一切使用しないため、半導体シリコンウエハ表面のスクラッチ傷(微細な傷)を防ぎ、生産歩留まりの改善に寄与する。
また、従来のプロセスで課題となっていた粒子の廃棄について、研磨材フリー技術を活用することで使用後の廃棄処理が不要となり、廃液からの水と希少金属のリサイクルが容易になる。
豊田通商は本出資を通じて、日本国内の半導体メーカーへ ChEmpower 社製品の供給を進める。さらに、半導体製造工程から発生する廃液を回収し、希少金属を再生させるビジネスを通じて資源循環の取り組みを進めていく方針だ。
豊田通商グループは、この研磨材フリー技術を活かし、環境対応型材料の供給から資源回収・リサイクルまでをつなげることで、地球にやさしい「グリーン半導体」のエコシステムの構築を目指す。これにより、半導体製造における環境負荷低減に貢献するとともに、「未来の子供たちにより良い地球を届ける」ためにサーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みを加速させていくとしている。
ChEmpower 社の概要
出資先である ChEmpower 社の概要は以下の通り。

- 会社名:ChEmpower Corporation
- 所在地:アメリカ合衆国 オレゴン州
- 設立:2019 年
- 代表者:Sudhanshu Misra(スダンシュ・ミシュラ) CEO
- 事業内容:半導体製造に資する平坦化技術の開発
本記事は豊田通商株式会社の発表をもとに作成されています。
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