搬送ロボットが栽培棚を移動、植物工場に「Physical AI」を実装MD-Farmが次世代生産システムを公開
MD-Farmが栽培棚を動かす新システムで特許出願 コンセプト動画も公開


CATEGORY: テクノロジー

MD-Farm株式会社は、搬送ロボットによって栽培棚そのものを移動させる新たな棚稼働システムについて、2026年10月に特許を出願しました。これにあわせ、AIや制御技術を実際の設備やロボティクスと連携させるコンセプト「Physical AI for Indoor Farming」を紹介する動画を、2026年10月21日に公開しました。

同社は、LED、温度、湿度、CO₂などを制御した栽培環境とロボティクス、クラウド、AIを組み合わせ、天候や栽培者の経験に左右されない再現性のある生産システムの構築を目指しています。
搬送ロボットで栽培棚を移動させる新システム
従来の植物工場では栽培棚を固定し、人や機械が棚の間を移動する設計が一般的でした。これに対し同社は発想を逆転させ、作業工程や生育状況に応じて植物を載せた棚そのものを必要な場所へ移動させる仕組みを採用しました。限られた空間を効率的に活用しながら、各工程の自動化や省人化につなげていくとしています。
今回公開された動画では、搬送ロボット(AVG)がイチゴの栽培棚を運び、植物工場内を移動する様子が紹介されています。なお、同社は農林水産省の「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3基金)」に採択されており、同事業の支援を活用して山形県南陽市の統合実証工場で技術開発や実証を進めています。



MD-Farmが掲げる「Physical AI for Indoor Farming」は、AIやデータをデジタル空間だけで完結させず、植物工場設備、搬送ロボット、栽培棚、将来的には収穫ロボットなどと連携させて生産環境そのものを制御する考え方です。
植物工場内は高性能な断熱材で囲まれ、外部環境の影響を受けにくい空間を構築しています。内部で温度、湿度、CO₂、光などを制御し、熟練生産者のノウハウをデータ化して設備や制御技術に落とし込むことで、誰が・どこで運用しても一定の品質を再現できる仕組みを目指しています。
また、イチゴの生理学的特性を利用した独自の栽培技術について、日本および米国で特許を取得しています。
- 日本:特許第7551158号「イチゴの栽培方法」
- 米国:METHOD FOR CULTIVATING STRAWBERRY(Patent No. US 12,108,710 B2)

需要起点で生産を設計する新産業「AgrI-DX」の構想
MD-Farmは、植物工場を農産物を作る場所にとどまらず、必要な場所で必要な品質・量を生産するための社会インフラの一部として位置づけています。製菓メーカーや食品加工事業者など、年間を通じて一定品質のイチゴを必要とする需要側の課題から生産システムを逆算するビジネスモデルを想定しています。
AI、ロボティクス、環境制御、栽培データ、物流、販売などを組み合わせ、需要を起点に生産から市場までを一体として設計する新しい産業カテゴリーを「AgrI-DX(アイダックス)」と位置づけています。将来的には、生産・流通・販売・顧客動向をBIG DATAでつなぎ、「世界的なFood総合ソリューションプロバイダー」となる将来像を掲げています。

公開動画および会社概要

公開された動画の概要は以下の通りです。
- タイトル:MD-Farm MOVIE 2026 TEST-03
- テーマ:Physical AI for Indoor Farming
- 公開日:2026年10月21日
- URL:https://youtu.be/WM2CgqhC3S0
- 動画時間:約2分
【MD-Farm株式会社 概要】
- 会社名:MD-Farm株式会社
- 所在地:新潟県新発田市城北町2-9-22
- 代表者:代表取締役 松田祐樹
- 事業内容:通年栽培いちご栽培ユニット開発・運営|オリジナル植物栽培用LED等の販売|通年いちごの販売
- URL:https://www.md.farm/
本記事はMD-Farm株式会社の発表をもとに作成しました。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



