2024年コンプラ違反倒産388件、過去最多に
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2024年のコンプライアンス違反による企業倒産件数が388件に達し、2年連続で過去最多を更新したことが明らかになった。株式会社帝国データバンクが発表した「コンプライアンス違反企業の倒産動向調査(2024年)」によると、業種別ではサービス業が最多の122件、違反類型別では粉飾が95件で過去最多となった。
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粉飾決算による大型倒産や資金流出といった「資金使途不正」も増加傾向にあり、コンプライアンス違反倒産は全体の約4%を占めた。2020年に始まったゼロゼロ融資など各種支援策の返済期限到来のタイミングで粉飾が発覚するケースが目立ち、金融機関をはじめとする多くの取引先を巻き込む倒産が発生している。
また、コロナ禍の雇用調整助成金など各種補助金の「不正受給」も2022年以降急増し、2年連続で過去最多を記録した。コンプライアンス違反に対する社会の目は厳しくなっており、違反発覚は信用失墜につながり、取引先や消費者の離反を招くことから、倒産リスクが一気に高まる。
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2025年に入ってもなおコンプライアンス違反倒産が散見されており、引き続き増加傾向で推移するとみられる。企業には法令順守と社会的責任の遂行が強く求められている。