博報堂DYMPが生成AIで物体検出技術を開発
博報堂DYメディアパートナーズの研究開発プロジェクトAaaS Tech Labは、ルームクリップ株式会社との共同研究により、大規模言語モデルを活用した画像中の任意の物体検出ソリューションを開発した。このソリューションでは、Meta社のSegment Anything Modelと近年注目されているLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)を活用することで、自然言語による柔軟なチューニングが可能となり、高精度な物体検出を実現している。
従来の物体検出モデル開発には、目的に応じた大量の画像データと長時間の追加学習が必要であり、各プラットフォームのAPIを用いた開発ではモデルの柔軟な調整が困難という課題があった。本プロジェクトでは、LLMによるプロンプトを用いた物体検出フローを構築し、限られた計算リソースでも高速に動作し、カテゴリーの意味合いに応じて段階的に物体検出できるという特徴を持つ。
本ソリューションを活用した新機能は、ルームクリップのサービスにおいて2024年4月から段階的に導入されている。ユーザーが投稿した写真を自動で画像解析し、アイテムを特定してECサイトのURLリンクをカード形式で表示することで、閲覧ユーザーの利便性向上に寄与している。
今回の取り組みで得られた知見は、TV番組やCM、各種コンテンツ内の商品検出ソリューションへの適用や、博報堂DYグループが推進する広告メディアビジネスの次世代型モデルAaaSとして提供するTV広告やデジタル広告における各ソリューション群との連携による提供も行われる予定だ。
AaaSとは、博報堂DYメディアパートナーズが提唱する広告メディアビジネスのDXを果たす次世代型モデルであり、「広告枠の取引」によるビジネスから「広告効果の最大化」によるビジネスへの転換を見据えたものである。AaaS Tech Labは、従来の広告ビジネスやメディア・コンテンツを革新するために、テクノロジーの可能性を探求するプロジェクトとして位置づけられている。
博報堂DYメディアパートナーズは、今後も広告の効果最大化を可能にするさまざまなサービスを順次導入し、博報堂DYグループの各広告事業会社とともにメディアの広告価値の向上と広告主の事業目標の達成に貢献していく方針だ。