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広島で初のSPACE FORUM 2026に九州みらい共創が参加 地域産業の可能性議論

福岡県久留米市に主たる事務所を置く一般社団法人九州みらい共創は、2026年10月16日(金)に広島市文化交流会館で初めて開催された「SPACE FORUM 2026」に参加しました。フォーラムには国内外の宇宙関係者や中四国の企業・団体が集まり、「宇宙を、中四国の次の産業へ。」をテーマに宇宙と地域産業の結び付きについて議論が交わされました。会場では、宇宙産業が一部の専門企業だけでなく、地域が培ってきた技術や人材を生かせる裾野の広い分野であることが示されました。

食と生命維持から商業利用まで広がる宇宙の可能性

最初の基調講演では、元NASAケネディ宇宙センターの主任科学者で国際宇宙ステーション(ISS)の植物栽培システム「Veggie」などの研究に携わってきたHoward G. Levine博士が登壇しました。微小重力環境下における40年以上の宇宙植物研究を紹介し、送風やLED照明、水・養分供給などの制御技術の進歩によって、ISSでレタス、ラディッシュ、コムギ、トウガラシなどの栽培が可能になった実績を説明しました。人間と植物を組み合わせた生物再生型生命維持システムは、地球からの補給が困難な月や火星での長期滞在を支える基盤になるとされています。

続いて、宇宙飛行士でAxiom Spaceアジア太平洋地域CTOの若田光一氏が登壇し、5回、累計500日を超える宇宙滞在経験を基に有人宇宙活動の潮流を解説しました。微小重力環境は沈殿や浮力、熱対流を抑えられるため、タンパク質結晶や創薬、幹細胞、再生医療、人工臓器、半導体、光ファイバー、先端材料などの研究や製造に新たな条件を提供します。また、ISSの運用が2030年までと国際的に計画されているなか、Axiom Spaceが商業宇宙ステーションの開発を進めていることも紹介されました。

両氏の対談では、宇宙生活における食や健康、衛生面についての議論も行われました。微小重力下での粉末飛散を防ぐ工夫や、限られた水・非アルコール環境での衛生管理など、厳しい条件に対応した技術は、地上の災害時や医療・介護現場などにも応用できるデュアルユースの可能性を秘めています。

中四国の地域企業による宇宙分野への具体的な参入事例

中四国宇宙ビジネストークセッションでは、地域企業や団体が宇宙分野へ参入した具体的な道筋が示されました。

  • 東洋電装株式会社:高速道路の非常電話や制御システムの開発経験を生かし、山間部や建設現場、災害時にも通信を確保できる衛星通信事業に参入。
  • 株式会社ひびき精機:ミクロン単位の精度を持つ金属加工技術を航空機やロケットエンジン部品へ展開し、熟練技能のデータ化や宇宙スタートアップ技術者の受け入れを実施。
  • 一般社団法人スペースポート高知:宇宙輸送力強化と人口減少などの地域課題解決を目指し、研究開発や観光、教育など幅広い産業を含む拠点づくりを推進。

登壇者からは、自社技術が宇宙のどの課題に結び付くかを知り、外に向けて発信していくことの重要性が語られました。

宇宙への挑戦を成果につなげるための思考法と組織づくり

会場との質疑応答では、宇宙を目的そのものではなく実現したいことのための手段として捉える視点が提示されました。若田光一氏は、自社技術の宇宙活用だけでなく、衛星データや衛星通信などの宇宙資産を既存事業へ取り込む双方向の思考を提案しました。

また、研究開発における失敗への向き合い方について、目標は「失敗しないこと」ではなく「成功すること」であり、失敗を計画やリスク管理に組み込んで学びを共有することが組織の成長につながるとの見解が示されました。信念を問われたLevine博士は「諦めないこと」、若田光一氏は「問い続け、守りに入らないこと」を挙げています。

地域から宇宙産業へ参入するための示唆とコンソーシアム設立

一連のセッションを通じて、地域から宇宙産業へ踏み出すための示唆として次の3点が整理されました。

  1. 技術と課題をつなぐ翻訳者や伴走者の存在
  2. 地域単独で完結させない広域連携の推進
  3. 産業振興と人材育成の一体的な取り組み

フォーラムの最後には、中四国宇宙産業コンソーシアムの設立に向けた発表が行われました。同組織は、参入の手続きや技術の適応に悩む企業・団体に対して適切な相手や機会をつなぎ、大学や行政、次世代を担う学生とも連携しながら活動を展開していく方針です。

本記事は一般社団法人九州みらい共創の発表をもとに作成しました。

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