東京大学先端研やアイシンなど 東京都のグリーン水素率先利用事業者に認証
国立大学法人東京大学先端科学技術研究センター、株式会社アイシン、ARM Technologies株式会社の3者は、東京都が推進する「グリーン水素率先利用事業者認証制度」の認証を取得した。東京大学先端研を代表共同事業者とする事業において、液状水素キャリアを活用した一貫システムの実証に成功した取り組みが評価された。10月14日には東京都にて認証式が行われ、小池百合子東京都知事から認証盾を受領している。
不燃性の液状水素キャリアを用いた一貫システムの実証
東京大学先端研、アイシン、ARM Technologiesの3者は、再生可能エネルギー由来のグリーン水素を水系・不燃性の液状水素キャリアに貯蔵し、常温常圧で安全に輸送した上で、都内の需要地で電力として高効率に利用する一貫システムの実証に成功した。
液状水素キャリアとは、水素吸蔵合金を水に分散させた流動性のある燃料を指す。常温常圧で液体として安定し、不燃性(非危険物)であるため、安全かつ容易に運搬や貯蔵を行うことができる。
常温常圧での取り扱いと約64%のエネルギー効率
本技術は、従来の水素貯蔵・輸送で課題となっていた高圧ガス設備や極低温設備を必要とせず、水系かつ不燃性(危険物・劇物に非該当)の液体として取り扱える点が特徴だ。専用の高圧容器や冷却設備を要しないため、一般的な樹脂容器に貯蔵し、通常のポンプで移送できる。トートバッグに収めて持ち運べるほど運搬が容易で、水素を扱う際の設備面や運用面の負担を軽減するという。
また、独自の電解・発電システムにより、キャリア変換や脱水素に伴うエネルギーロスを抑制している。これにより、従来技術の総合効率約23%に対し、約64%という高いエネルギー効率を実現した。
本技術の確立は常温常圧でのグリーン水素の長期貯蔵・輸送を可能とし、太陽光や風力といったグリーン電力のさらなる導入や、天候に左右されやすい再生可能エネルギー設備の利用率向上への貢献が期待されるとしている。
東京都が推進するグリーン水素率先利用事業者認証制度
「グリーン水素率先利用事業者認証制度」は、東京都が都内におけるグリーン水素の活用促進および普及拡大を目的として創設した制度である。
エネルギーの安定供給の確保や脱炭素社会の実現に向け、東京都内でグリーン水素を率先して利用した事業者を認証して広く周知するとともに、奨励金の支給やロゴマークの活用などにより事業者の取組を後押しする。なお、グリーン水素は太陽光や風力などの再生可能エネルギー由来の電力によって製造される水素であり、製造時・利用時ともにCO₂を排出しないエネルギーとされている。


参画組織の概要


- 国立大学法人東京大学先端科学技術研究センター(代表共同事業者)
- 株式会社アイシン(本社:愛知県刈谷市、取締役社長:吉田守孝)
- ARM Technologies株式会社(本社:神奈川県相模原市、代表取締役社長:荒木紀歳)
本記事は国立大学法人東京大学先端科学技術研究センター、株式会社アイシン、ARM Technologies株式会社の発表をもとに作成。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



