Circlia、味覚評価と生成AI連携のTASTE SIGNAL実証開始
福岡市を拠点にHolland Village Cafe FUKUOKAと茶葉ブランド(Tea by Circlia)を展開する株式会社Circliaは、来店客が実際に商品を味わった感覚を5つの軸で官能評価し、蓄積されたデータをもとに生成AIが商品開発の仮説を提示する仕組み「TASTE SIGNAL(味覚シグナル)」の実証実験を開始した。実証で評価を使用したクッキー缶は先行販売した100缶が即日完売し、再開後の予約にも待機ができる状態となっている。同社は今後、感覚データを業界全体で活用できるデータ資産に変えていくことを目指す。
感覚データの未蓄積という業界課題に対応
食品や香粧品業界の新商品開発や改良の判断は、社内テイスティング(自社データ)や外部リサーチに基づいて行われることが多く、小規模な事業者では担当者の経験や勘に頼るケースもある。そのため、「おいしい」「良い香り」といった評価が定性的なまま蓄積されず、次の意思決定に活かされにくいという課題が存在していた。
また、既存の生成AIに甘さや香ばしさを問いかけても、実際に測定されたデータを持たない以上は根拠のある回答が得られないと同社は指摘する。感覚は誰かが実際に測定し蓄積しない限りデータにならないことから、同社はこの一次データの空白を埋める取り組みとして実証を進めている。
来店客の5軸評価とAIによる配合提案の仕組み
実証実験におけるTASTE SIGNALは、比較や集計が可能な共通フォーマットを用いて評価サイクルを継続的に回す仕組みとなっている。

実データ収集として、Holland Village Cafe FUKUOKAの来店客がクッキー缶などの商品を味わった後、甘さ・塩味・食感・香ばしさ・後味の5軸で官能評価を行い、あわせて「またお金を払いたいか」を4段階で回答する。蓄積された評価データはリピート意向の高い群と低い群で比較され、評価傾向の違いが可視化される。さらにそのデータを活用し、生成AIが次回試作に向けた配合の方向性を提案する。現時点では、蓄積された実データをもとにAIが仮説を言語化する段階にあるとしている。
評価サイクルのデータ化と今後の展望
TASTE SIGNALが目指すのは、「試食→官能評価→購買意向→配合変更→再評価」というサイクルをデータとして蓄積し続けることだという。配合を変更した際に購買意向がどう変化したかという変化そのものを積み重ねることで、データ資産や生成AIプラットフォームの構築につなげ、将来的には業界横断の大規模な官能評価データとして蓄積していくことを目指している。
現在は自社店舗とECで展開するクッキー缶を対象に実証実験が実施され、先行販売した100缶は即日完売した。データ収集期間を経て再開した予約には、すでに順番待ちの顧客が発生している。今後は店舗やECでの実証を継続しながら、データ蓄積や大学等の研究機関との連携も視野に入れた取り組み、評価対象商品の拡大、他社の食品・香粧品事業者との連携を進めていくとしている。
食品事業者向け実証パートナープランを提供
同社は、食品を扱う事業者を対象に、TASTE SIGNALのご利用とInstagramを中心としたマーケティングプランをセットにした実証パートナープランを提供する。

プランの提供内容は以下の通りとなる。
- マーケティングプランの設計(Instagram投稿の企画・制作支援を含む)
- TASTE SIGNALのご利用による官能評価と評価データの取得
- 評価結果をもとにした次回以降のレポート
本プランに関する問い合わせは、n.fujii@circlia.jpで受け付けている。
本記事は株式会社Circliaの発表をもとに作成。
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