個人情報を扱う現場でも、生成AIを安全に。株式会社アテナが「AIセキュリティ環境」を自社構築
アテナがBedrock上のClaude全社展開を開始、構築サービスを11月提供へ
CATEGORY: テクノロジー
総合BPO事業を展開する株式会社アテナは、社員が利用しているMicrosoft Entra IDのアカウントでサインインし、Anthropic社の生成AI「Claude」を利用できるAIセキュリティ環境をAmazon Bedrock上に自社構築し、全社展開を開始しました。
個人情報や機密情報を取り扱うBPO企業としての要件に合わせ、AI処理を日本国内に限定したほか、外部への情報流出経路を遮断しています。さらに、自社構築のノウハウを生かした他社向け支援として、「AIセキュリティ環境構築サービス for Amazon Bedrock」を2026年11月より提供開始する予定です。
既存IDの活用と国内処理でセキュアなAI環境を実現
アテナは人件費の高騰や人手不足を背景に生成AIの活用を検討していましたが、一般的なサービスではアカウント数課金による費用面やID管理、APIキー端末保持のリスク、Web検索を通じた情報持ち出し、データの所在などが課題となっていました。
同社は2026年6月に自社での構築に着手し、約3か月で本番環境を完成させました。社員は端末管理(MDM)で設定されたPCからAIアプリ(Claude Desktop)を起動し、Microsoft Entra IDでサインインして利用します。
システムのポイントとして、AIの処理を東京・大阪の日本国内リージョンで完結させ、入力内容の学習利用防止やWeb検索・Webページ取得の禁止、利用ログの暗号化保管を行っています。また、有効期限12時間の一時認証を用いて端末に静的な鍵を残さず、従量課金制を採用して利用状況の可視化を図っています。

同社は「利用者の作業を妨げないこと」と「情報を外に出さないこと」を両立するため、以下の三層すべてを自社で設計・検証しました。
- AWS側:Entra IDのOIDCフェデレーションとAWS STSによる一時認証、日本国内クロスリージョン推論の限定、Amazon CloudWatch LogsとAmazon S3への暗号化ログ保管、AWS Budgetsによる予算通知、Amazon GuardDutyやAWS Security Hubによる脅威検知・可視化
- AIアプリ(Claude)側:チャットとコーディング支援のみを許可し、Web検索・Webページ取得を禁止。ブラウザ自動化(Playwright MCP)のみを許可リスト方式で開放
- PC側:MDMによるレジストリ設定を通じ、接続先を東京リージョンのAmazon Bedrockに固定し、許可モデルの指定やトークン使用量上限を一括統制
なお、本取り組みはアマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社と共同執筆したAWS公式ブログでも事例として紹介されています。
業務削減などの効果と他社向けサービスの展開
2026年9月に28台での実証実験(PoC)を実施したのち全社展開へ移行した結果、推進担当者の体感で業務の半分程度が削減され、社内資料の約9割をAIで作成するようになったことで提案や見積りのスピードが向上しました。また、非エンジニア社員がAI向けの設定ファイルを自ら作成するなどリテラシーの向上も見られ、国内処理による顧客への説明容易性も確認されています。
アテナはこの運用実績をもとに、同様の環境を求める企業向け支援事業を立ち上げます。
- サービス名:AIセキュリティ環境構築サービス for Amazon Bedrock
- 提供開始:2026年11月(予定)
- 対象:Microsoft 365(Entra ID)とAWSを利用中、または利用予定の企業
- 提供内容:要件整理、AWS側・AIアプリ側・PC側の構築と設定、利用ガイド・運用ルール整備、展開後のサポート
- 費用:個別お見積り
株式会社アテナの概要
- 会社名:株式会社アテナ
- 代表者:代表取締役社⻑ 渡辺剛彦
- 所在地:東京都江⼾川区臨海町5-2-2
- コーポレートサイト:https://www.atena.co.jp/
本記事は株式会社アテナの発表をもとに作成されています。
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