日本摂食症協会、大阪で対話イベントを開催 家族向け動画を12月までに順次公開へ
一般社団法人日本摂食症協会(JAED)は、世界メンタルヘルスデー(10月10日)に合わせ、2026年10月11日(日)に大阪市内で対話イベント「世界メンタルヘルスデー2026 〜『はなす』『きく』摂食症をめぐる開かれた対話〜」を開催しました。当日は当事者や家族、支援者、専門家など約40名が参加しました。
あわせて同協会は、YouTubeの協力を得て、摂食症の患者を支える家族を対象とした全10回の解説動画シリーズを2026年12月までに順次公開していくことを明らかにしました。

イベントは一般社団法人光美江記念会の協力を得て、ふれあい貸し会議室 梅田No.141(大阪駅前第2ビル4階)で対面開催されました。企画や準備、進行は、協会のフェローを中心とした専門家と学生部による世界メンタルヘルスデー2026実行委員会が担当しました。
会場では、参加者が二重の輪になって座る「フィッシュボウル」形式の対話が行われました。中央に1席を空けた円座を作り、話したい人が空いている席に座って発言し、周囲の参加者が耳を傾ける方法で進行しました。対話では「安心を感じた言葉や態度」「大切にしている物」などをテーマに、多様な声が聴かれ応答されることを重視する「ポリフォニー(多声性)」の考え方に基づき、結論や答えを急がない場として対話が重ねられました。対話終了後には、参加者が自由に交流できるフリートークの時間も設けられました。


摂食症への理解と世界メンタルヘルスデーの背景
世界メンタルヘルスデーは、メンタルヘルス問題に関する世間の意識を高め、偏見をなくして正しい知識を普及することを目的に、世界精神保健連盟が1992年に定め、世界保健機関(WHO)も協賛する国際デーです。
神経性やせ症や神経性過食症、むちゃ食い症、回避・制限性食物摂取症などの摂食症は、思春期や青年期に発症することが多く、精神疾患の中でも死亡率が高いとされています。一方で「育て方のせい」「意志が弱いから」といった誤解や偏見も根強く、当事者や家族が声を上げにくい状況があることから、JAEDは毎年この日に合わせて理解を広げる取り組みを実施しています。
家族向けの解説動画シリーズ全10回を順次公開

JAEDはYouTubeの協力を得て、家族向けミニレクチャー動画(全10回)を制作し、公式YouTubeチャンネルで2026年12月までに順次公開します。解説は、約40年にわたり摂食症の研究・治療・支援に携わってきた理事長で内科医の鈴木眞理氏と、家族教室などで実践を重ねてきた公認心理師・臨床心理士の小原千郷氏が担当します。動画公開に合わせて、家族向け勉強会などの企画・開催も予定されています。
全10回の構成と主な内容は以下の通りです。
- 1:はじめに ― 摂食症の回復に家族ができること(「原因は家族や育て方のせい」という誤解、家族は回復のための資源、家族自身のセルフケア)
- 2:摂食症とはどのような病気ですか(神経性やせ症・ARFID・神経性過食症などの病型と特徴)
- 3:なぜ拒食や過食をするのですか(症状が続いてしまう心理的な仕組み)
- 4:早期発見のサイン(ダイエットとの違い、気づいたときのNG対応)
- 5:受診への第一歩(受診を嫌がる本人への向き合い方、受診先の選び方)
- 6:体重を増やすには(無理に食べさせない、食事の場での具体的な工夫)
- 7:過食嘔吐の諸問題への対応(キッチンの使い方、過食費用、身体への影響の予防)
- 8:エビデンスがある治療方法と回復までの道のり(主な治療法の紹介、リカバリーの考え方)
- 9:摂食症を理解したコミュニケーション(病気と本人を分けて考える、治りたい気持ちの味方になる)
- 10:きょうだい・家族全体へのサポート(きょうだいへの配慮、家族全体で支える視点)
JAEDは、2027年以降も継続的に専門家による正しい情報発信のための動画を制作していく方針です。
一般社団法人日本摂食症協会について
東京都千代田区に拠点を置く一般社団法人日本摂食症協会は、鈴木眞理氏が理事長を務めています。
- 名称:一般社団法人日本摂食症協会(Japan Association for Eating Disorders)
- 理事長:鈴木眞理
- URL:https://www.jafed.jp/
- 主な事業内容:摂食障害患者および患者家族の支援、啓発活動・予防活動、関係者に対する情報提供、治療者の育成支援、調査研究など
本記事は一般社団法人日本摂食症協会の発表をもとに作成しました。
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