現役ケアマネジャーの84.3%が「カスハラ」を経験|ケアマネジャーを紡ぐ会と共同調査を実施
ケアマネジャーの84.3%がカスハラ経験、法改正も過半数が詳細知らず 実態調査
CATEGORY: ビジネス
介護情報ポータルサイト「介護のススメ」を運営する株式会社IRODORIは、一般社団法人日本単独居宅介護支援事業所協会(ケアマネジャーを紡ぐ会)と共同で、現役ケアマネジャー121名を対象としたカスタマーハラスメントの実態調査を実施しました。調査の結果、回答者の84.3%が利用者やその家族からハラスメントに該当する言動を受けた経験があることが明らかになりました。2026年10月1日施行の改正労働施策総合推進法により防止措置が義務化されたものの、制度の詳細を把握していない層が過半数を占めるなど現場の周知不足も浮き彫りとなっています。
8割超が被害を経験、精神的負担や離職意向につながる実態

調査において、利用者やその家族からハラスメントに該当するような言動を受けた経験が「ある」と答えた人は84.3%(102名)に上りました。具体的な内容では「大声で怒鳴られた・威圧的な態度を取られた」(48.0%)が最も多く、「長時間にわたり拘束された(電話・面談等)」(16.7%)、「人格を否定するような暴言を受けた」(9.8%)のほか、「性的な言動を受けた」(3.9%)や「身体的な暴力を受けた」という回答もみられました。
被害経験のある102名に心境を尋ねたところ(複数回答)、「精神的に大きな負担を感じた」が82.4%で最多となりました。次いで「自分の対応が悪かったのではないかと自分を責めた」(37.3%)、「仕事を辞めたいと思った」(32.4%)、「利用者・家族との関係が悪化するのが怖く、我慢した」(32.4%)が続いており、「支援の質を落とさざるを得ないと感じた」も10.8%ありました。
背景には制度の理解不足、対応は組織的な連携が中心

ハラスメント的言動の背景として心当たりがある項目(複数回答)は、「サービス内容や制度への理解不足(期待とのギャップ)」(53.9%)が最も高く、「家族の介護疲れ・精神的な余裕のなさ」(45.1%)、「制度上できないことを求められた(ケアマネの業務範囲外)」(41.2%)が上位に並びました。
現場での対応や工夫(複数回答)としては、「一人で対応せず、上司や同僚に相談・同行を依頼する」(57.9%)や「記録を詳細に残し、組織として対応する体制を取る」(56.2%)、「地域包括支援センターや行政に早めに情報共有する」(49.6%)が挙げられた一方、「対応に困っている」という回答も6.6%ありました。


事業所内のサポート体制については、「十分に整備されている」が11.6%にとどまり、「ある程度整備されている」(47.9%)を合わせた59.5%に対し、「あまり整備されていない」(24.8%)と「まったく整備されていない」(8.3%)の合計は33.1%となりました。体制があると回答した人の中でも「体制はあるが、活用したことはない」が55.7%、「活用しづらい雰囲気がある」が6.3%を占めています。


また、2026年10月から施行されたカスタマーハラスメント防止措置の義務化について、「内容をよく知っている」は46.3%でした。「聞いたことはあるが、詳しくは知らない」(46.3%)と「知らなかった」(7.4%)を合わせた53.7%が詳細を把握していない状況が示されています。
今後求められる対策は「業務範囲の周知」と「法的機関との連携」

今後必要だと思う対策(複数回答)では、「利用者・家族への『ケアマネジャーの業務範囲』の周知」(76.0%)が最多でした。次いで「行政や法的機関との連携強化」(60.3%)、「事業所内の相談窓口・通報制度の整備」(52.1%)、「ケアマネジャーの処遇改善(精神的負担に見合う待遇)」(51.2%)が続いています。

相談したい外部の連携・相談先(複数回答)としては、「弁護士・法テラス等の法律相談」(60.3%)がトップとなり、「地域包括支援センター」(50.4%)、「自治体の介護保険担当課」(47.9%)、「カスタマーハラスメント専門の外部相談窓口」(45.5%)が挙がっています。

調査概要および発表元
本調査の概要は以下の通りです。
- 調査名:ケアマネジャーを対象とした「利用者・家族からのカスタマーハラスメントの実態」に関する調査(第4回)
- 調査企画:株式会社IRODORI
- 調査協力:一般社団法人日本単独居宅介護支援事業所協会(ケアマネジャーを紡ぐ会)
- 調査期間:2026年9月24日(木)~10月5日(月)
- 調査方法:オンラインアンケート
- 有効回答数:121名(回答者属性:経験10年以上 66.1%、3~10年 26.4%、3年未満 7.4%)
株式会社IRODORIは、代表取締役の遠山 直氏が率い、東京都中央区銀座7-13-6 サガミビル2Fに所在しています。介護ポータルサイト『介護のススメ』の企画・運営などを手掛けています。
本記事は株式会社IRODORIの発表をもとに作成しました。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



