NTT東日本など5社、道路維持管理に向けた光ファイバセンシング活用コンソーシアム設立
NTT東日本、鹿島建設、応用地質、オリエンタルコンサルタンツ、三菱総研の5社は、光ファイバセンシングの道路維持管理への活用モデル構築に向け、10月14日にコンソーシアムを設立した。道路構造物の老朽化や担い手不足、財源制約といった課題に対し、光ファイバから得られるデータを活用して道路の状態変化や交通状況を広域かつ継続的に把握する手法の検討を進める。通信インフラ、建設、地盤調査などの知見を持ち寄り、データに基づく予防保全型の道路マネジメントへの転換をめざす。
設立の背景と狙い
道路インフラにおいては、老朽化の進行や担い手不足、財源の制約、災害リスクの高まりを背景に、効率的で持続可能な維持管理が求められている。特に地方自治体などの道路管理者は、限られた人員と予算で広範な道路ネットワークの状態を把握し、点検や診断、補修の優先順位を判断する必要性に直面している。
従来の点検・調査は目視や専用車両による周期的な方法が中心であり、道路状態の変化や交通状況を広域かつ継続的に捉えるための高度化が課題となっていた。本コンソーシアムでは、道路下や道路近傍に敷設された光ファイバをセンサーとして利用し、振動、ひずみ、温度などのデータを取得する技術に着目した。既設の通信用光ファイバの活用に加え、センシング用光ファイバの新設も視野に入れ、既存の点検・調査技術と組み合わせた活用モデルの構築をめざす。
コンソーシアムでは、中長期的な目標として、取得データを点検や診断、補修の判断に生かす予防保全型の道路マネジメントを「道路空間マネジメント」と位置づけ、その社会実装をめざす。
これは道路を単一の地点ではなくネットワーク全体として捉え、交通量や通過速度などの交通状況と、舗装、路盤、地盤の状態に関する情報を一体的に把握する仕組みである。特に、舗装と地盤を一体として捉える「道路断面マネジメント」を重要要素とし、路面の表層だけでなく路盤・地盤を含む道路断面の状態を把握することで、詳細調査や補修の判断に役立てる手法を検討する。
当面取り組む2つの検討テーマ
予防保全型の道路マネジメントの社会実装に向けて、まずは実務への適用可能性が高い以下のテーマから検討を開始する。
- 道路の状態変化の把握
光ファイバセンシングで得られるデータを用い、道路の状態変化を広域的に把握する手法を検討する。詳細点検や追加調査が必要となる可能性のある区間の抽出、点検対象の絞り込み、点検計画への活用可能性を検証する。
- 交通データの道路維持管理への活用
交通量や通過速度などを把握する手法を検討し、舗装の補修計画や点検計画への活用可能性を整理する。将来的な展望として、交通状況と道路状態のデータを組み合わせた劣化要因の把握や補修の優先順位づけへの活用をめざす。
参画企業と主な役割
本コンソーシアムに参画する5社は、それぞれの専門知見を持ち寄って検討を進める。各社の代表者および主な役割は以下の通りとなる。
- NTT東日本株式会社(代表取締役社長:澁谷 直樹)
光ファイバによるセンシングデータの取得・解析、自治体などとの連携を通じた社会実装の検討
- 鹿島建設株式会社(代表取締役 社長執行役員:桐生 雅文)
光ファイバによるセンシングデータの取得・解析、道路空間への実装方法と整備・維持管理の検討
- 応用地質株式会社(代表取締役社長:天野 洋文)
路盤・地盤に関するセンシングデータの取得・解析・評価、地盤分野の専門知見に基づくデータの検証
- 株式会社オリエンタルコンサルタンツ(代表取締役社長:野崎 秀則)
計測監視技術と点検の融合による維持管理の高度化、道路管理者の舗装マネジメントへの適用可能性の整理
- 株式会社三菱総合研究所(代表取締役 社長執行役員:籔田 健二)
道路維持管理における活用場面と現行制度・基準との関係の整理、社会実装の検討
今後の展開
今後は道路管理者との意見交換を通じて、現場の課題や業務の流れ、活用可能な既存データを整理し、光ファイバセンシングが役立つ具体的な場面を明確にしていく。実務への適用が期待されるテーマについては実証の実施も検討する方針である。
すでに地方自治体との意見交換を開始しており、道路管理実務への適用と実証の可能性を検討している。具体的な実施内容は関係者との協議を踏まえて決定するとしている。
本件に関する問い合わせは、光ファイバセンシングの道路維持管理への活用モデル構築に向けたコンソーシアム事務局(fiber-road-sensing-consortium-ml@east.ntt.co.jp)で受け付けている。
本記事はNTT東日本株式会社、鹿島建設株式会社、応用地質株式会社、株式会社オリエンタルコンサルタンツ、株式会社三菱総合研究所の発表をもとに作成。
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