糖をはかる日に医師と生活者の意識差が判明 鳴戸親方登壇のイベント開催
10月8日の「糖をはかる日」に合わせ、日本生活習慣病予防協会は株式会社 明治の協賛のもと「ヘモグロビンA1c(HbA1c)」スペシャルトークイベントを開催しました。イベントには元大関 琴欧洲の鳴戸親方と総合診療医の伊藤大介医師が登壇し、糖尿病予防や日頃の健康管理について語り合いました。あわせて公表された調査結果では、重視する健康指標を巡って医師と生活者の間に大きな認識の隔たりがある実態が示されています。

重視する指標に医師と生活者でギャップ 認知度に課題
日本生活習慣病予防協会が実施した「血糖値・ヘモグロビンA1cに対する意識調査」によると、「血糖値とヘモグロビンA1cのどちらを重視するか」という質問に対し、生活者の69%が血糖値と答えた一方、医師は87%がヘモグロビンA1cと回答しました。また、「血糖値で糖尿病のリスクを十分に把握できるか」という問いには、生活者の87.5%が「そう思う」と答えています。
生活者がヘモグロビンA1cを重視しない背景には、指標そのものの認知度が影響しているとみられます。健康診断の数値をどの程度知っているか尋ねた設問では、ヘモグロビンA1cを「知らない」と答えた人が40.3%に上り、全指標の中で最も高い割合となりました。ただし、「意味まで知っている人」に限ると71%がヘモグロビンA1cを重視すると回答しており、言葉の意味を正しく理解することが重視度の変化につながることがうかがえます。
短期的な血糖値と中長期を映すヘモグロビンA1cの違い


総合診療医の伊藤医師は、血糖値について「瞬間風速」のように食事や運動によって日々波のように変動する極めて短期的な指標であると説明しました。健康診断の前に食事を節制することで数値が一時的に改善してしまう落とし穴があるといいます。

対してヘモグロビンA1cは赤血球中のタンパク質に糖分が結合した割合を示し、赤血球の寿命である約140日の半分にあたる、約1ヶ月から2ヶ月ぐらいの平均的な血糖状態を反映します。伊藤医師によると、基準値は5.6までが正常で、5.6~6.0は糖質が普段から過剰である可能性、6.0~6.5は糖尿病予備群とされる境界型糖尿病、6.5以上で糖尿病の可能性を疑う診断基準になると解説しました。


イベントに向けて鳴戸親方が測定したヘモグロビンA1cの数値は、9月4日時点で「5.2」、約1か月後の10月6日時点でも同じく「5.2」と正常範囲内を維持していました。短期間では急激に変動しない中長期的な指標であることが実際の測定結果からも示されています。

なお、ヘモグロビンA1cの測定方法としては、健康診断のオプションへの追加や、簡易測定キットによる自宅採血と郵送のほか、薬局などに設置された「ゆびさきセルフ測定室」(https://navi.yubisaki.org/ )を利用する方法が挙げられます。

鳴戸部屋の食生活に見る血糖対策と継続の工夫
ブルガリア出身の鳴戸親方は、19歳で来日して佐渡ヶ嶽部屋に入門し、大関まで昇進した現役時代から糖尿病予防を意識した健康管理を行っていました。現在は13人の弟子を預かる鳴戸部屋の指導者として、肉や野菜をバランスよく取り入れた食事管理を行っています。弟子たちには野菜から先に食べるよう指導しているほか、親方自身もヨーグルト500gを飲む習慣を続けていると明かしました。
伊藤医師は、野菜やきのこ、たんぱく質を中心とした鳴戸部屋の栄養バランスを評価し、ヨーグルトの摂取などが腸内環境を整えて血糖値の急上昇を抑える一助になると述べました。
日常生活で実践できる血糖対策として、伊藤医師は以下のポイントを挙げています。

- 年に一度の健康診断を必ず受け、結果は捨てずに数値を記録しておく
- 「毎月8日」のように、自分の中で定期的に「はかる日」を決める
- 食べる順番を工夫する、食後に体を動かすなど、続けやすい習慣を一つ決める
- 一人でやらず、家族や職場など周囲と一緒に取り組む

鳴戸親方も普段から一駅手前で降りて歩くことや階段の利用を心がけており、状況に応じて5~10㎞以上歩くこともあるとし、健康維持を日課として継続する重要性を強調しました。
発表組織および登壇者について
本イベントの登壇者および主催団体の概要は以下の通りです。
- 鳴戸 勝紀親方:元大関 琴欧洲。ブルガリア出身。2002年11月に入門し、2005年11月に初土俵から3年で大関昇進。2008年に幕内最高優勝、大関在位47場所を記録。2014年3月場所限りで引退後、2015年に15代「鳴戸」を襲名し、2017年に鳴戸部屋を創設。
- 伊藤 大介医師:一之江駅前ひまわり医院院長。東京大学医学部卒業、同大学医学部外科博士課程修了。日本赤十字医療センターなどを経て2020年8月より現職。日本病院総合診療医学会認定医。著書に『総合診療医が徹底解読 健康診断でここまでわかる』(文春新書)。
- 日本生活習慣病予防協会:生活習慣病の知識普及や調査研究を目的に2000年に設立。健康標語『一無、二少、三多(いちむにしょうさんた)』を提言し、2011年より毎年2月を「全国生活習慣病予防月間」、2016年には1月23日を『一無、二少、三多の日』として記念日登録している。
本記事は日本生活習慣病予防協会の発表をもとに作成しました。
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