クリーンオーシャンアンサンブル、兵庫運河で河川ごみ回収装置の香川県外初の実証実験
海洋ごみ問題の解決に向けて活動するNPO法人クリーンオーシャンアンサンブルは、2026年9月11日(金)に兵庫県神戸市の兵庫運河において河川ごみ回収装置「kawasemi003」の実証実験を実施しました。同団体が国内で行う河川ごみ回収装置の実証実験として、香川県外での実施は今回が初となります。水域環境や設置条件が異なる兵庫運河において、装置導入時の設置の容易性や回収効率、関係者との調整から実施までのプロセスの確認を目的として行われました。
実証実験の背景と回収装置「kawasemi」の特徴
海洋ごみ問題は世界的な環境課題であり、日本においても深刻な状況が続いています。環境省によると、日本から海洋に流出するプラスチックごみの量は年間1.6〜3.2万トンと推計されています。また、瀬戸内海における研究報告によると、海洋ごみの約7〜8割が陸域から河川を経由して流入すると推計されており、海の生態系や漁業、観光業などの産業にも大きな影響を及ぼしています。
同団体は、ごみが海に到達する前に河川で回収することを目指し、河川ごみ回収装置「kawasemi」の開発と実証実験を香川県高松市の詰田川で進めてきました。同装置は「効率的なごみ回収」「誰でも扱いやすい」「低コスト」の3つのコンセプトに基づき開発されており、漁網やフロート、ブイなどで構成され、分解して持ち運べるコンパクトな設計が特徴です。河川の流れに乗って運ばれるごみを受け止め、回収ポケットに誘導して集める構造となっています。

兵庫運河における実証実験の概要
今回の実験は、回収装置の設置から現場の清掃、原状回復までを同日内に完了する短時間設置の形式で実施されました。概要は以下の通りです。
- 実験名称:兵庫運河における浮遊ごみ・漂流ごみ回収装置 短時間設置実証実験
- 設置日時:2026年9月11日(金)9:00〜17:00(回収装置の設置、実証、ごみの回収、装置の撤去、現場の清掃、原状回復を同日内に完了)
- 実施場所:兵庫県神戸市兵庫区材木町2地先 兵庫運河護岸前面水域
- 設置目的:詰田川以外での回収装置の設置の容易性やごみの回収量・種類を検証し、相談・関係者調整・実施までのプロセスを確認する
- 実施主体:NPO法人クリーンオーシャンアンサンブル
- 協力企業:日本栄船株式会社
- 空撮協力:cubic-tt[島空撮]
- 現地視察:株式会社商船三井 関西支店

兵庫運河での実証実験は、日本栄船株式会社による行政機関との連携・協議の支援を受けて実現しました。同団体は、海洋ごみ問題の解決には地域行政や地元企業との強い連携が不可欠であるとしており、今後も全国各地で共創パートナーシップを拡大し、様々な河川や運河、港湾エリアでの実証実験および常設設置を推進していくとしています。なお、本実証実験の様子をまとめた動画がYouTube(https://www.youtube.com/@cleanoceanensemble)で公開されています。
団体概要
香川県小豆郡小豆島町に拠点を置くNPO法人クリーンオーシャンアンサンブルの概要は以下の通りです。代表理事は江川裕基氏と田中秀典氏が務めています。
- 名称:NPO法人クリーンオーシャンアンサンブル(NGO Clean Ocean Ensemble)
- 住所:香川県小豆郡小豆島町坂手甲986番地
- 設立:2020年12月
- 代表理事:江川裕基、田中秀典
- 主な活動国:日本、モザンビーク、東ティモール
- 公式サイト:https://cleanoceanensemble.com/
本記事はNPO法人クリーンオーシャンアンサンブルの発表をもとに作成しました。また、文中の推計値は環境省「令和7年度検討結果 日本の海洋プラスチックごみ流出量の推計」(2026年8月31日更新版、https://www.env.go.jp/content/000426522.pdf、2026年9月30日閲覧、pp 42, 56)および藤枝 繁ら「瀬戸内海における海洋ごみの収支」(沿岸域学会誌 2010, 22 (4), 17–29、https://doi.org/10.57296/jaczs.22.4_17)を参照しています。

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