Dellows News

目の不調による経済損失は年間約2兆円 先進会眼科がビジネスパーソンを調査

医療法人先進会は、全国の20〜59歳のデジタルデバイスで目を酷使しているビジネスパーソン500名を対象に実施した「目の不調がもたらす「見えない赤字」実態調査」の結果を公表した。調査によると、74.4%が仕事中に目の不調を感じており、49.8%が読み直しや作業中断などのワークロスを経験していることが明らかになった。これによる日本全体の推計経済損失額は年間約2兆円に上り、名目GDPの約0.3%に相当すると試算されている。

約半数がワークロスを経験 損失額は1人あたり年間約19.16万円

直近1か月の仕事中に見えづらさや目の疲れ、ピントの合いづらさなどの目の不調を感じたか尋ねたところ、74.4%が「ある」と回答した。また、デジタルデバイスのディスプレイを使った仕事において、目の不調をきっかけに余計な確認や対応が生じることがあると答えたワークロス経験者は49.8%に上った。

ワークロス経験者(N=249)が感じる主なロスとしては、「文字や画面の拡大(41.8%)」「作業中断・予定外の休息(34.9%)」「数字・記号の確認・打ち直し(32.1%)」が上位となった。業務への影響では「集中力が続きにくい」(51.4%)や「作業スピードが落ちる」(51.0%)などが挙がり、73.1%が目の不調が原因でミスやヒヤリハットを経験していると回答した。

ワークロス経験者におけるロスの発生状況は1日平均4.14回、平均時間は約20.9分で、年間では約72.73時間となる。厚生労働省「毎月勤労統計調査」(2025年分結果確報)などの統計を基に換算すると、1人あたり年間約19.16万円の推計経済損失額に相当する。これに基づき、目を酷使する雇用者のうちワークロスを経験している人を約1,030万人と推計した結果、日本全体の経済損失額は年間約2兆円(約1兆9,734億8,000万円)と算出された。なお、この経済損失は自己申告に基づく推計値であり、確定的な損失額ではないとしている。

AIヘビーユーザーのワークロス経験率は非利用層の約2.3倍

生成AIツールの利用頻度別に見ると、週4日以上使用する「AIヘビーユーザー」のワークロス経験率は64.6%となり、AI非利用層の28.0%と比べて約2.3倍に上った。さらに、ミスやヒヤリハットの経験率についても、AIヘビーユーザーでは62.6%に達し、AI非利用層(20.0%)の約3.1倍となった。ただし、この結果は相関を示すものであり、AIが目の不調を引き起こす因果関係を示すものではないと注記されている。

先進会眼科の岡義隆理事長は、見えづらさを我慢して原因がわからないまま仕事を続けている人もいると指摘した上で、視力や見え方は社会全体に影響を及ぼすとし、眼科で状態を確かめて自身に合った選択肢を知ることが第一歩であると述べている。

職場や働き方の変化を経験した人のうち、目の負担が増えたと回答した割合は「書類のペーパーレス化・資料の電子化」が38.8%で最も高かった。次いで「複数モニター・複数デバイスの併用」が32.5%、「チャットツールでのやりとりの増加」が30.1%、「生成AIツールの導入・活用」が28.8%となった。

その一方で、職場における業務改善・効率化ツールの導入率は60.0%であるのに対し、視力検査や眼科受診補助といった目の不調に対する支援がある職場は38.0%にとどまり、ツールの導入状況とケア体制の間に対照的な差が見られる結果となった。

調査の概要

  • 調査名:目の不調がもたらす「見えない赤字」実態調査
  • 調査対象:全国20〜59歳の被雇用者(会社役員を含む。自営業・フリーランス/非就業者を除く)
  • スクリーニング調査:5,064名
  • 本調査:500名(仕事でデジタルデバイスの画面を週3日以上かつ1日4時間以上使用する層)
  • 回答者属性:平均年齢39.2歳/男性48.2%・女性51.8%
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査期間:2026年8月28日〜8月30日
  • 調査主体:医療法人先進会

本記事は医療法人先進会の発表をもとに作成。出勤日数・給与・労働時間は厚生労働省「毎月勤労統計調査」(2025年分結果確報)、雇用者数は総務省「労働力調査」(2025年平均)、名目GDPは内閣府「国民経済計算」(2025年度)のデータに基づく。

アクセスランキング

今日

1週間