ヘンリーが地銀5行などから総額12億円調達 地方病院の業務と経営の改善支援へ
病院向けクラウド基幹システム「Henry」を提供する株式会社ヘンリーは、地方銀行5行によるベンチャーデット型シンジケートローンを通じて11億円の資金調達を実施した。あわせて地方銀行系ベンチャーキャピタル2社から1億円の出資を受け、今回の調達総額は12億円となる。同社は、地域金融機関7グループと連携し、地方病院の業務と経営の改善を支える体制を強化する。


地方銀行など7グループとの連携で総額12億円を調達
今回のシンジケートローンは静岡銀行をアレンジャーとし、静岡銀行、福岡銀行、常陽銀行、名古屋銀行、山梨中央銀行の地方銀行5行のみで組成された。あわせて、地方銀行系ベンチャーキャピタルであるYMFGキャピタルとほくほくキャピタルの2社が出資に参加した。
同社は調達の目的について、資金確保にとどまらず、地域金融機関との連携を深めることにあるとしている。参画した金融機関からの病院紹介や販売面で連携し、各行が持つネットワークを通じて「Henry」の導入を推進する。さらに、基幹システムの刷新や医事BPO、AIを活用した業務再設計、経営改善の支援を行い、金融機関による資金面の支援と組み合わせて地方病院の持続的な経営を支えていく方針だ。
地方病院の人手不足と医療法改正に伴う政策の動向
国内では人口減少が進む地域を中心に、看護師や医療事務などの担い手が集まらず、地域の中核を担ってきた病院が経営難に陥る課題が生じている。
こうした中、2025年12月に成立した改正医療法では、2030年末までに電子カルテの普及率を約100%にすることが明記され、国の定める標準仕様にはクラウドネイティブ型が採用された(出典 : 厚生労働省「医療法等の一部を改正する法律の概要」)。地方の病院にとって、限られた人員で診療と運営を継続するための基盤づくりが求められている。

「Henry」は、電子カルテ・オーダー・レセコンを一体化した病院向けクラウドネイティブ型の基幹システムで、2023年の提供開始以降、導入病院の約8割が地方に立地している。


同システムを2023年6月に導入したそのべ病院(埼玉県本庄市・51床)では、紙カルテからの転記作業をなくし、チャットツールを活用して連絡体制を整備した。その結果、他院からの療養患者の受け入れ判断を即日で返せるようになり、病床稼働率は90%近くまで回復したほか、看護師や事務職員の月間残業時間が半減し、月間の診療報酬収入は導入前の1.3倍に増加した。


今回調達した資金は、支援体制とサービスの拡充に投じられる。人手の少ない病院でも現場を止めずに切り替えられるよう導入・移行支援体制を拡充するほか、医事BPOとAIエージェントの拡充により、診療報酬請求業務の外部化や記録・請求のAI自動化を進めるとしている。

代表取締役CEOの逆瀬川光人は、「ヘンリーは地域金融機関の皆さまと共に、地方の病院が経営を継続し、地域の医療を守り続けられる仕組みをつくってまいります」とコメントしている。

株式会社ヘンリーの概要

- 会社名:株式会社ヘンリー
- 所在地:東京都新宿区
- 代表者:代表取締役CEO 逆瀬川光人
- 創業:2018年
- 事業内容:病院向けクラウド型電子カルテ・レセコンシステム「Henry」の開発・提供、医事BPO、経営コンサルティング等
- URL:https://henry.jp/
本記事は株式会社ヘンリーの発表をもとに作成しています。
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