双葉電子工業、雨量300mm・風速12m/s下でドローン飛行デモを実施
双葉電子工業株式会社は、2026年9月25日に国立研究開発法人防災科学技術研究所の大型降雨実験施設で開催された「悪天候下でのドローン飛行」公開デモンストレーションに協力し、産業用ドローン「FMC-02Q」のデモ飛行を実施しました。当日は豪雨と強風を再現した環境下において、機体の姿勢安定性や搭載カメラ映像、小型スピーカーによる音声発信への影響を確認しました。災害現場での活用に向け、悪天候下における機体の挙動やセンシングの課題検証が行われています。

豪雨と強風を再現した環境での公開デモンストレーション
災害時における被災状況の把握や要救助者の捜索、緊急物資輸送などにドローンの活用が期待される一方、機体の耐風性や防水性に関する標準化や共通の評価手法、判断基準はまだ整備の途上にあります。今回のデモンストレーションは国立研究開発法人防災科学技術研究所が主催し、国立研究開発法人産業技術総合研究所 先進ドローン技術コンソーシアム(ADTC)が協力して実施されました。
会場となった大型降雨実験施設では、降雨強度最大300 mm/hの豪雨と風速20 m/s程度の強風を再現できます。本実験の最大条件である300 mm/hは10分間に50 mmの雨が降る強さに相当し、気象庁の10分間降水量の観測記録(2021年木古内の55 mm、2020年熊谷・2011年室谷の50 mm)とほぼ同じ水準です。なお、1時間降水量の国内記録は153 mm(1999年香取、1982年長浦岳)、令和8年8月千葉豪雨では115 mm(千葉市中央区)ですが、本実験では豪雨で最も激しい10分間降水量のピーク(300mm/h)を一定の強さで持続させて再現しています。

当日は以下の条件を段階的に変えながら飛行させ、検証を行いました。
- 降雨100 mm/h、強風0 m/s(記録的短時間大雨相当の雨量)
- 降雨100 mm/h、強風12 m/s(記録的短時間大雨相当の雨量+傘がほぼ役に立たない暴風)
- 降雨300 mm/h、強風12 m/s(10分間降水量の観測記録相当の雨量+傘がほぼ役に立たない暴風)
検証結果と浮き彫りになった技術課題

公開デモンストレーションにおいて、1時間雨量300mmかつ風速12m/sの環境下でも飛行可能であることが確認されました。機体本体の挙動および各種センサー情報に有意な異常は確認されなかった一方、強い降雨環境ではカメラへの雨滴付着によって映像の視認性が低下することも確認されています。
なお、実験施設内は非GPS環境であることが確認されたため、飛行は高度維持モード(AltHoldモード)に設定し、手動操縦による移動が行われました。双葉電子工業株式会社は、確認された飛行安定性を基盤として、カメラやセンサーなどの搭載機材からの情報取得性能の向上に取り組み、災害現場での情報収集や意思決定に貢献できる機体の実現を目指すとしています。
使用された産業用ドローン「FMC-02Q」の仕様と実績
実証に用いられた「FMC-02Q」は、機体下部に周囲の状況確認用カメラと音声発信用小型スピーカーを搭載し、災害時の状況確認と飛行エリア周辺への放送に対応する仕様です。
- 機体本体の防水性能:IPX3相当(※各仕様は搭載機材無しの状態のもの)
- 耐風性能:15m/s(※各仕様は搭載機材無しの状態のもの)
- 飛行時間:最大40分程度(※各仕様は搭載機材無しの状態のもの)
同型機は、令和3年7月に静岡県で発生した熱海市伊豆山土石流災害や、令和6年1月に発生した令和6年能登半島地震の際にも被害状況の把握支援に用いられたほか、令和5年9月の台風襲来時には社内での試験飛行も実施されています。
双葉電子工業株式会社の概要
千葉県茂原市に本社を置く双葉電子工業株式会社は、千葉県長生郡長生村の国内拠点において機体の設計・開発・製造・カスタム対応・保守・メンテナンスを一貫して行っています。消防向けに光学・赤外線映像を切り替えられるカメラや救命物資用の投下装置を搭載した機体の納入実績を持つほか、自社敷地内での飛行試験や、登録講習機関「Futabaドローンスクール」の運営も手がけています。
- 会社名:双葉電子工業株式会社
- 所在地:千葉県茂原市
- 設立:1948年
- 事業内容:各種電子部品・無線機器・生産器材の設計、開発、製造および販売 (複合モジュール、産業用ラジオコントロール機器、ホビー用ラジオコントロール機器、ロボティクス製品、有機ELディスプレイ、プレート製品、金型用器材、成形・生産合理化機器など)
本記事は双葉電子工業株式会社の発表をもとに作成されています。
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