Craifと名古屋大学、唾液による新生児SMA検査の実証成果を発表
バイオAIスタートアップのCraif株式会社は、第53回日本マススクリーニング学会学術集会にて、名古屋大学神経内科の勝野雅央教授や佐橋健太郎准教授らとの脊髄性筋萎縮症(SMA)遺伝子スクリーニングツールを用いた前向き実証試験に関する研究成果を発表した。発表題目は「唾液ポイントオブケア検査を用いた 新生児SMAスクリーニングモデルの検証: 多施設前方視的実証研究 」である。実際の新生児検体を対象に、スクリーニングツールの精度や安定性、社会実装の可能性を検証した結果が報告された。
新生児1,312例の研究で特異度100%を実証
脊髄性筋萎縮症(SMA)は運動神経細胞の脱落を来たす遺伝性疾患で、ゾルゲンスマなどの画期的治療薬の登場により治療が可能となった一方、運動神経の不可逆な消失を防ぐためには発症前の超早期治療が極めて重要とされている。
実証試験では、協力産科医療機関で拡大新生児スクリーニングを受ける児のうち、保護者から同意を得た新生児1,312例を対象に唾液および臍帯血検体を収集した。検体を仮名加工した上で新規スクリーニングツールおよび臍帯血MLPA法による解析を実施したところ、全例で結果が一致し、偽陽性0例(特異度100%)を達成した。さらに、過去の研究で得られたSMA患者検体の盲検ランダム化評価においても感度100%を達成している。
生後1.5時間以内の判定と簡便な操作性
従来のろ紙血(DBS)スクリーニングでは検査結果通知までに1〜3週間のロジスティクス遅延が生じ、重症型の約3分の1が治療前に発症してしまう課題があった。今回開発されたツールは、唾液を用いてベッドサイドで実施可能なポイントオブケア(POC)スクリーニングツールであり、生後1.5時間以内の「Day 0」スクリーニングを可能にする。
また、医療現場への導入可能性の検証として、検査専門ではない看護師や助産師が検査を実施した。簡易なトレーニングなしでも主要ステップの作業時間は各10秒未満、ハンズオンタイムは合計20秒程度となり、熟練技師との結果判定一致率は100%を達成した。
既存制度を補完するファストトラックモデル
本ツールは簡易な装置のみで、出生後1.5時間以内にベッドサイドで簡便にスクリーニングを行うことができる。既存のスクリーニングシステムを置き換えるのではなく、発症前治療へ直結させる補完的バイパスツール(ファストトラックモデル)として機能し、治療効果を最大限に引き出す有用な手段となり得るとしている。
Craif株式会社について
Craif株式会社は、尿などの体液から多様なバイオマーカーを高精度に検出する解析技術基盤「NANO IP®︎(NANO Intelligence Platform)」とAI技術を融合し、がんをはじめとする疾患の早期発見に向けた検査開発を行うスタートアップである。
- 社名:Craif株式会社
- 代表者:代表取締役 小野瀨 隆一
- 設立:2018年5月
- 資本金:1億円(2024年3月1日現在)
- 本社:東京都新宿区新小川町8-30 THE PORTAL iidabashi B1F
- 事業:がん領域を中心とした疾患の早期発見や個別化医療の実現に向けた次世代検査の研究・開発、自宅でかんたんがんリスク検査「マイシグナル®︎」の提供
- URL:https://craif.com/
本記事はCraif株式会社の発表をもとに作成。
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