日本初のDirect Air Captureスタートアップが2.5億円調達

日本初のDirect Air Capture(DAC)スタートアップであるPlanet Savers株式会社が、シードラウンドにて2.5億円の資金調達を実施した。出資企業はSpiral Capital株式会社とジャフコ グループ株式会社の2社。調達資金はDACシステムプロトタイプの完成とチーム強化、要素技術強化に充てられる。

Planet Saversは2023年7月に創業し、「2050年に年間1ギガトン(10億トン)のCO₂を回収し、気候変動解決のフロンティアランナーとなる」をビジョンに掲げている。同社はDACの実施に必要な①無機多孔質材料であるゼオライトをベースとした革新的な吸着材と②吸着材に最適化されたCO2回収装置開発に取り組んでいる。

DACは人工的にCO2を空気中から直接回収するネガティブエミッション技術として注目を集めており、2050年のグローバル市場規模は約70兆円に達すると試算されている。しかし、現状では回収コストが1トンあたり1,000ドル前後と高額なため、イノベーションが求められている。

Planet Saversは東京大学発の技術・知見を活かしたゼオライトベースの革新的な吸着材を用いたDACシステムを開発し、回収コストを1トンあたり100ドルまで下げることを目指す。2025年中にグローバルスタンダードに追いついた1トン/日の回収量を持つ高性能かつ低コストなDACシステムのプロトタイプ完成を目標としている。

同社は研究開発の加速と事業拡大に向け、サイエンティスト、エンジニア、事業開発、CFO候補等の人材採用を積極的に進めている。気候変動問題の解決に強い決意を持つCEOの池上京氏のもと、世界を変革するスタートアップへの進化が期待される。