住環境研究所、高断熱化で吹抜けとクローズプランの空調電力量差が縮小と発表
千代田区内神田1-14-10に拠点を置く株式会社住環境研究所は、実住宅のHEMSデータや間取りデータを組み合わせた統合分析の成果を公表した。住宅の高断熱化が進むほど、吹抜けを設けた間取りとクローズな間取りとの間にある年間空調電力量の差が縮小することが確認された。また、断熱等級6の住宅では、吹抜けのあるプランにおいて住み心地や性能に対する満足度が最も高い傾向が示されている。
吹抜けのあるオープンプランの採用割合が増加
株式会社住環境研究所は、積水化学工業株式会社と東京大学生産技術研究所エネルギーシステムインテグレーション社会連携研究部門との共同研究で蓄積されたHEMSデータ分析の成果をもとに、2026年6月に大規模HEMSデータと住空間構成の統合分析の開始を発表している。
住宅プランの出現率の推移を調査したところ、2019年から2024年にかけて、LDK内に吹抜けのある「オープンプラン」の割合は14%から22%へと約1.6倍に増加した。一方、吹抜けはなくリビング内階段で上下階がつながる「セミオープンプラン」は34%から26%へ減少した。吹抜けがなく階段もホールにある「クローズプラン」や「その他プラン」はおおむね横ばいとなっており、吹抜けによる開放度の高い間取りが増加傾向にある。


断熱性能の向上でプラン間の空調電力量の差が縮小

実住宅4,712棟を対象に、2025年7月から2026年6月までの年間空調電力量(中央値)を分析し、断熱等級4のクローズプランを100とした指数で比較が行われた。

住宅プランにかかわらず断熱性能が高いほど空調電力量は少なく、断熱等級6のオープンプランの年間空調電力量指数は96となり、基準となる断熱等級4のクローズプランを下回った。
さらに、オープンプランとクローズプランの空調電力量指数の差は、断熱等級4では12ポイントであったのに対し、断熱等級6では5ポイントへ縮小した。高断熱化によって空調電力量そのものが抑えられるとともに、間取りの違いによる空調電力量の差も小さくなる可能性が示されている。
断熱等級6ではオープンプランの居住者満足度が最も高い結果に


HEMS分析と同じ住宅条件に該当する入居後1年の居住者アンケート3,973件をもとに、夏冬の過ごしやすさなどに関する「住み心地・性能」の満足度を比較した。

「大変満足」と回答した割合は、断熱等級4・5ではプランによる明確な傾向はみられなかったものの、断熱等級6ではオープンプランが75%、セミオープンプランが72%、クローズプランが67%となった。断熱等級6では断熱等級4・5よりも総じて満足度が高く、最も開放度が高いオープンプランが最も高い数値を示した。
同研究所の研究員は、高断熱化について、省エネルギーのためだけでなく空調電力量への不安を抑えながら吹抜けなどの開放的な住空間を選択しやすくする基盤性能となる可能性があるとしている。
本記事は株式会社住環境研究所の発表をもとに作成。
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