メゾン ヴァレンティノが2027年春夏コレクションをパリの図書館で発表
メゾン ヴァレンティノ(Maison Valentino)は、2026年10月4日(日)、フランス パリのサント・ジュヌヴィエーヴ図書館にて、2027年春夏コレクション ‘アンティ ビブリオテーカ(ANTIBIBLIOTECA) ‘ を発表しました。クリエイティブ ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレが手がけたコレクションです。
今回のコレクションの背景には、ナシーム・ニコラス・タレブが著書『ブラック・スワン』の中で言及した「アンチライブラリー(反図書館)」の概念があります。作家のウンベルト・エーコが持つ3万冊の膨大な個人蔵書において、すでに読まれた本ではなく未読の本の集まりこそが、まだ知らないことの具体的な存在として価値を持つという考え方です。未読の本は自己顕示のための飾りではなく研究の道具であり、新たな発見の可能性を開く知的資本と位置づけられています。




この精神は、本を購入しながらも読まずに積み上げておく日本の「積ん読」という習慣にも通じています。未読の書物は、知識を超えて広がる世界の豊かさを証明し、未来の発見や喜びへの期待を内包していると捉えられています。


衣服が持つ潜在性と機能性を超えた価値


アレッサンドロ・ミケーレは、ファッションにおいてもこのアンチライブラリーという概念を重ね合わせています。毎シーズン生み出される衣服の中には、ショーの舞台を一度通り過ぎるものや、イメージの中で生き続けるもの、ワードローブに収められてほとんど袖を通されないものなど、多様な運命をたどるものが存在します。


こうした衣服の価値は、単に使用価値や「役に立つかどうか」という機能性、消費の論理だけで測ることはできないとしています。哲学者ジョルジョ・アガンベンが論じるように、潜在性とは実現されることだけではなく、豊かな選択肢を内包した状態そのものに価値があり、未来への想像を支える力を持っています。
視覚的なアーカイブとしてのファッションショー
ファッションショーで見られる衣服は、まさに潜在性の領域に属し、何を思い描くことを可能にするかという点にまで意味が及んでいます。開かれることなく棚に置かれた本と同様に、身につけることのない服であっても、人が送ることができたかもしれない人生や可能性の世界に作用していると説明されています。
本記事はメゾン ヴァレンティノ(Maison Valentino)の発表をもとに作成しました。
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