『渋谷系16タイプ診断』公開、診断で20代・30代の地域参画を促進
一般社団法人渋谷未来デザインは、2024年10月25日に「渋谷系16タイプ診断」を公開した。この診断は、渋谷区共催のSOCIAL INNOVATION WEEK 2024(SIW2024)のコンテンツとして、渋谷に関わる人々が自身の役割と可能性を見出し、未来の社会づくりに参画するきっかけを提供する取り組みの一つだ。
現代の20代・30代が抱える大きな課題として「閉塞感」がある。SNSをはじめとするデジタルツールの普及により、若者たちは自己表現の場を得ていながらも、他者との過剰な比較がもたらす心理的な圧力に晒されている。日本財団の調査(※1)では、20代・30代の若年層の多くが将来に希望を持ちづらく、6カ国の若年層と比較しても日本は「将来が良くなる」と感じている若者がわずか13.9%に留まっていることが明らかになった。
また、内閣府の調査(※2)も「自己肯定感が低い」傾向を裏付けており、若者が自分に価値を見い出せず、社会や政治に対する関心が薄れている状況が浮き彫りとなっている。Uniposの調査(※3)では、20代・30代の84%が「評価が落ちるのが怖い」「周囲の評価が変わるのが不安」などの理由で挑戦に消極的であることが示された。
こうした閉塞感は、地域社会や政治への関心低下とその影響を及ぼしている。総務省の統計(※4)によると、近年の国政選挙における20代の投票率はわずか30%代にとどまっている。
渋谷未来デザインは、こうした社会課題を解決すべくSIW2024を開催し、地域と若年層がつながるための新しい枠組みを提示している。「渋谷系16タイプ診断」は、性格診断をフックに、SIW2024参加者に渋谷に関わる役割を見出してもらうだけでなく、「自らが社会に変革をもたらす担い手である」という気づきを促す。
MERYの調査(※5)では、30代以下の世代が40代以上に比べて2倍以上MBTI診断を利用していることが示され、SNSを通じて診断を知る若年層が急増している。性格診断には、自己認識やメタ認知の向上を促し、心理的に前向きな効果をもたらすという研究結果も示されている(※6)。
「渋谷系16タイプ診断」は、2024年10月25日から12月23日まで公開される。
※1 日本財団「18歳意識調査 第41回」(2022年9月)
※2 内閣府「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」(2019年3月)
※3 Unipos「20代・30代の84%が「挑戦」に消極的な理由とは?」(2021年9月)
※4 総務省「衆議院議員総選挙における年代別投票率の推移」(2021年11月)
※5 MERY「20代女子の約6割がMBTI診断に興味あり!」(2021年5月)
※6 Journal of Personality and Social Psychology, 2018, Vol. 114, No. 3, 398–412