Tensor Energy、ポート保有の高圧系統用蓄電所アグリゲーション業務を受託
Tensor Energy株式会社は、ポート株式会社が保有・運営する高圧系統用蓄電所について、アグリゲーション業務の受託を決定しました。自社の電力AIプラットフォームを活用し、市場価格予測や充放電計画の最適化から電力市場での取引、蓄電池のリアルタイム制御までを一気通貫で担当します。本件は両社による第1号案件となり、複数案件の協業を通じて系統用蓄電池の価値最大化と安定運用の実現を目指すとしています。
受託の背景と目的
再生可能エネルギーの導入拡大に伴い電力需給を安定化させるインフラとして系統用蓄電所の導入が進む一方、2026年度には需給調整市場において週間取引から前日・30分単位取引への移行や上限価格の引き下げなどが実施され、事業環境は転換点を迎えています。設備の運用頻度と精度の重要性が増す中、蓄電所事業は運用の巧拙が成否を分ける段階に入っています。
ポート株式会社は2026年3月期に系統用蓄電所3ヶ所の稼働を開始して初年度から黒字化を達成し、2026年4月17日には事業への本格参入を決議して2027年3月期には計14ヶ所の開発投資を決定しています。事業規模の拡大にあたり運用品質の維持と収益性向上の両立を追求する同社と、予測から制御までを一気通貫で担いマルチマーケット最適化運用を行うTensor Energy株式会社のサービスが合致し、今回の適用合意に至りました。
提供されるアグリゲーションサービスの内容
Tensor Energy株式会社は、統合運用プラットフォーム「Tensor Cloud」を基盤に、以下の業務を一貫して担います。
- 予測:蓄電所ごとに最適化されたAIモデルによる卸電力市場価格、需給調整市場の約定価格および需給状況の予測
- 最適化:複数市場・複数商品を同時評価した入札計画・充放電計画の策定、SOCおよび蓄電池の劣化制約を織り込んだ運用設計
- 市場取引:卸電力市場(スポット・時間前)および需給調整市場での入札・応札実行、24時間のネガポジ運用対応
- 棚卸:計画に基づく蓄電池のリアルタイム充放電制御
- 計画・精算:需給計画の作成・提出、実績管理、インバランス管理
予測から制御までを同一プラットフォームで完結させることで受け渡しロスを防ぎ、安定的な市場運用を可能にします。ポート株式会社の代表取締役社長CEOである春日 博文氏は、保有蓄電所の拡大に伴い運用の高度化が成長の要諦であるとし、同社のテクノロジーに期待を寄せています。また、Tensor Energy株式会社の代表取締役である堀 菜々氏は、予測・最適化と市場取引・制御の一気通貫運用にこだわり成果につなげたい旨を述べています。
本プロジェクトの概要
本プロジェクトの設備概要は以下の通りです。なお、セキュリティ確保の観点から、蓄電所の所在地など設置場所を特定し得る情報は非公表となっています。
- 対象設備:高圧系統用蓄電所
- エリア:東京電力パワーグリッド管内 他
- 出力・容量:出力 約2MW/容量 約8MWh
- 運転開始時期:2027年度上期予定
両社の概要
Tensor Energy株式会社は、福岡県福岡市中央区天神1-11-1に拠点を置き、代表取締役を堀 菜々氏とフィルター カルロス ヴィンセント氏が務めるエネルギーテック企業です。2021年11月に設立され、発電や蓄電システムの資産運用・制御・電力取引ソフトウェアの開発・サービス提供を手がけています。
ポート株式会社は、東京都新宿区北新宿2-21-1 新宿フロントタワー5Fに本社を置く企業で、2011年4月に設立されました。東京証券取引所グロース市場(証券コード:7047)に上場し、代表取締役社長CEOを春日 博文氏が務めています。成約支援事業のほか、系統用蓄電所の開発・事業運営などの業務支援事業を展開しています。
本記事はTensor Energy株式会社およびポート株式会社の発表をもとに作成されています。
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