Ristと松江土建がボルト腐食判定AIを共同開発 診断工程を3か月から1か月に短縮
株式会社Ristと松江土建株式会社は、松江土建が施工を行う「新江川橋 橋梁補修工事」において、ボルト腐食診断工程を自動化するAIシステムを共同開発した。
診断対象となる約38,000本のボルト判定において、従来作業員2名で約3か月を要する見込みだった工程を約1か月に短縮し、生産性の向上を実現した。本取り組みは、国土交通省が提唱する「i-Construction 2.0」に沿った公共インフラ分野でのAI実装事例となる。
橋梁補修における課題とAI導入の背景



全国的に社会インフラの老朽化が進み点検・補修需要が増加する一方、地方の土木建設業界では技術者不足が深刻化し、人力に依存した業務の効率化と技能継承が急務となっている。

今回の補修工事では、交換が必要なボルトを選定する診断工程で約38,000本が対象となった。従来の目視作業では作業員2名で約3か月の期間を要する見込みであり、工期が切迫する中で診断期間の短縮が求められていた。また、目視判定は担当者の経験や知識による精度のばらつきが生じやすく、検査品質の平準化も課題であった。


AIモデルの開発と判定プロセス
AIの活用により、作業負荷の軽減、判定期間の短縮、検査品質の均質化が図られた。開発と判定は以下のスケジュールで進められた。
- サンプル画像によるモデル開発・学習(期間:5月7日~6月2日):対象ボルト本数 約700本分/画像11枚
- 推論・判定(疑似ラベリングによる再学習含む)(期間:6月30日~7月27日):対象ボルト約38,000本/画像3,700枚
精度向上のため、複数の開発モデルを比較して選定したほか、データ拡張や疑似ラベリング等の前処理を実施した。さらに、映り込んだ背景の汚れや文字を認識しないよう、対象となるボルト群の範囲のみを抽出する工夫が施された。
導入成果と現場の声

ボルト腐食診断工程の自動化により、以下の具体的な成果が得られた。
- 生産性:判定期間を想定の3か月から1か月に短縮し、後工程を2か月前倒し
- 高品質:判定のばらつきを解消し、一定基準での判定を実現
- 安全性:高所・狭所・猛暑下での長時間作業を減らし、身体的、精神的負担を軽減
松江土建の作業所長を務める須山尚氏は、大幅な工期短縮と社員の働きやすさを実現できたとし、今後の新規構造物などへの活用拡大に意欲を示した。また、同社係員の福原伊喜氏は、猛暑の中での目視判定作業から解放され時間短縮につながったと効果を語っている。
工事および両社の概要
本件は、国土交通省 中国地方整備局 浜田河川国道事務所が発注した島根県江津市の「国道9号線新江川橋」の補修工事であり、2社が担当するうち松江土建は東側部分の工事を担っている。
松江土建株式会社
- 本社:島根県松江市学園南二丁目3番5号
- 代表取締役社長:平塚 智朗
- 設立日:1944年5月9日
- URL:https://www.matsue-doken.co.jp/
株式会社Rist(京セラグループ)
- 本社:京都府京都市下京区五条通河原町西入本覚寺前町830 京都EHビル7階
- 東京オフィス:東京都港区三田3-5-19 住友不動産東京三田ガーデンタワー
- 代表取締役社長:長野 慶
- 設立日:2016年8月1日
- URL:https://www.rist.co.jp
本記事は株式会社Ristの発表をもとに作成。
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