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補助犬のトイレ実態調査、日本補助犬情報センターが報告書と整備方針案を公開

特定非営利活動法人日本補助犬情報センターは、公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団の2025年度バリアフリー推進事業を受託し、「身体障害者補助犬のトイレに関する基礎調査 報告書」を公開した。株式会社LIXILや専門家らが参画して実施した各種調査結果を取りまとめ、補助犬トイレ整備方針案を提案している。補助犬ユーザーが安心して社会参加できる環境づくりに向け、補助犬の排泄に関する実態や課題を明らかにしている。

補助犬の排泄に対する一般認識と課題

一般市民20代〜60代の男女計1,111人を対象とした意識調査では、補助犬が排泄する場所について「わからない」と回答した人が42.8%と最多となった。「補助犬は排泄を我慢させられていると思うか」という質問には、「そう思う/どちらかといえばそう思う」が計36.3%、26.2%が「わからない」と回答し、誤った認識を持つ人とわからない人が合わせて62.5%を占めた。

補助犬ユーザーへのインタビュー調査では排泄を我慢させていないことを理解してほしいという声があがっており、ユーザーが健康状態を考慮して排泄タイミングを管理している実態の周知が求められている。

盲導犬ユーザー7名、介助犬ユーザー12名、聴導犬ユーザー4名を対象としたインタビュー調査では、16名が屋内でバリアフリートイレ(多機能・多目的トイレ)を利用していた。利用理由として、補助犬と一緒に入れるスペースがあることや、個室のため雨風や人の目を避けられる点が挙げられている。

一般市民向け意識調査では、補助犬がバリアフリートイレを利用することについて「よいと思う/どちらかといえばよいと思う」の合計が74.9%となった。一方で、ユーザーからはトイレから出た際に周囲から指摘を受けたりSNSで批判されたりした経験も報告されている。否認派の理由では「特に理由はない」が31.5%で最も多く、犬(動物)アレルギーが「ある」と回答した人(5.5%)における許容派は80.3%(アレルギーなし層の許容派は74.6%)であった。盲導犬では「ワンツーベルト」の使用、介助犬ではペットシーツや排泄物キャッチャーの使用など周囲を汚さない工夫がなされている。

専用トイレの課題と施設側に求められる環境整備

国内外の空港における補助犬トイレの事例調査などでは、スペースや設備が多様であり理想的な犬用トイレは未確立であることが示された。日本国内では専用トイレが施錠されインターフォン等での連絡が必要な事例や、床材が滑りやすいなど犬の行動特性に合わない仕様も見られた。

日本補助犬情報センターは、補助犬専用トイレの設置は必ずしも必要ではなく、既存のバリアフリートイレに「ほじょ犬マーク」を貼付することや、屋外の植込みや駐車場等に看板を立てて「補助犬排泄可能エリア」として提供するなどの対応を提案している。

関係者によるコメントと調査の概要

日本補助犬情報センター理事長で大阪保健医療大学作業療法学専攻の吉田文教授は「今回の調査は補助犬の排泄を通して、多様な方々が社会にいること、それをお互いに知ろうとすること、その一歩を継続する重要性を示唆している」としている。また、東洋大学 人間科学 総合研究所 客員研究員(元東洋大学教授)の川内美彦氏は「補助犬とそのユーザーをきちんと迎え入れることのできる社会のために、この基礎調査が行われた意義は大きい」と述べている。

調査の実施事項は以下の通り。

  • 国内外主要空港の補助犬トイレの事例収集・実態調査(2025/10/9~12/22実施)
  • 国内外における補助犬専用トイレのGoogleマイマップによる可視化の試み
  • 国内外の補助犬訓練施設事業者へのアンケート調査(2026/1/13 ~ 2/28実施)
  • 補助犬ユーザーに対する補助犬の排泄方法に関するインタビュー調査(2026 /3/1~21実施)
  • 一般市民に対する補助犬の排泄に関する意識調査(2026/3/5実施)
  • 課題整理と補助犬トイレ整備方針の検討

本記事は特定非営利活動法人日本補助犬情報センターの発表をもとに作成。

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