奈良県立美術館にて、2024年9月14日から11月10日まで、特別展「エドワード・ゴーリーを巡る旅」が開催される。本展は、絵本作家エドワード・ゴーリー（1925-2000）の作品世界を、「子供」「不思議な生き物」「舞台芸術」などのテーマを軸に、約250点の作品・資料で紹介する。

エドワード・ゴーリーは、独特な韻を踏んだ文章とモノトーンの緻密な線描で、不思議な世界観を作り出す絵本を手がけ、世界中に熱狂的なファンを持つ。本展は、ゴーリーの終の棲家に作られた記念館・ゴーリーハウスで開催されてきた企画展から再構成されたもので、関西では初めての開催となる。

展示は全5章で構成され、代表作である『不幸な子供』『狂瀾怒濤：あるいは、ブラックドール騒動』『金箔のコウモリ』『ジャンブリーズ』などの原画が多数来日する。ゴーリーの緻密な線描と、不思議で不気味なのに思わずニヤリとしてしまうユーモラスな世界観を堪能できる。

また、奈良県立美術館オリジナルの関連展示「エドワード・ゴーリーと日本文化―20世紀アメリカの眼―」も同時開催。ゴーリーが生きた戦後のアメリカでは日本文化への関心が高まっており、ゴーリー自身も『源氏物語』を愛読するなど日本文化への造詣が深かったといわれている。本展示では、ゴーリーと当時のアメリカの日本美術受容をテーマに、収蔵作品約20件を紹介する。

会期中には、講演会やワークショップなども開催予定。現代を生きる大人のための、美しく怖くて愉快なおとぎ話の世界へ、ぜひ足を運んでみては。