NY死体調査官によるノンフィクション『死体と話す NY死体調査官が見た5000の死』発売

河出書房新社は2024年8月27日、バーバラ・ブッチャー著『死体と話す NY死体調査官が見た5000の死』を発売した。本書は、ニューヨーク市検視局で23年間にわたり死体調査官として働いたブッチャーが、5000人以上の死因を調査した経験をもとに綴った衝撃のノンフィクションだ。

ブッチャーは10代からアルコール依存症に苦しみ、その治療中に死体調査官という仕事に出会った。1992年にニューヨーク市検視局に入局し、殺人による680人を含む5000人以上の死因を調査。9・11、スマトラ島沖地震、ロンドン同時爆破事件、アメリカン航空587便墜落事故などの大規模な事件や災害も担当した。

photo: Anthony Grasso

本書では、シリアルキラーによる事件、陰惨な自殺、未成年者のレイプ被害者の殺人事件など、著者が携わったさまざまな死因の調査が克明に描かれている。また、著者自身がうつ病と自殺願望に悩まされてきた経験から、弱者や貧者に対する優しい視点で、死者の個人的な背景や周囲の人々、社会的な問題についても言及されている。

推理作家のパトリシア・コーンウェルは、本書を「息をのむほど正直で、思いやりがあり、生々しい。手放せない作品であり、必読の書であり、古典となるべく運命づけられている」と激賞。2023年にはAmazonベストブックに選出され、NETFLIXドラマ「殺人事件ファイル:ニューヨーク」の原案にもなった注目作だ。