ピクセルカンパニーズ、生成AI向けコンテナ型データセンターの販売を開始
ピクセルカンパニーズ株式会社は、生成AI需要の拡大に対応するため、GPUに特化したコンテナ型データセンターソリューションの販売を開始した。同社はデータセンター事業でパートナーシップを組むスーパーマイクロ株式会社、エヌビディア合同会社と協業し、企業や大学・研究機関など幅広いユーザー向けに展開する。販売当初の仕様では、世界トップクラスの高性能GPU「NVIDIA H100」を搭載する計画だ。
このコンテナ型データセンターソリューションは、AI向けサーバー製造で豊富な知見を持つスーパーマイクロから技術提供を受け設計されており、GPUラック、冷却装置、発電装置をコンテナの規格に合わせて個別に製作し、現地で組み上げる工法を採用している。これにより柔軟な設備運用と更新が可能で、GPUの開発サイクルが加速度的に進む中でも、常に新しい製品を導入しやすいという強みがある。
また、建物型のデータセンターを建設する場合、通常4~5年の工期を要するのに対し、コンテナ型では全体工期を半年程度に短縮可能だ。最小でコンテナ5台と冷却塔など必要設備を置ける広さがあれば設置可能で、用地確保も容易である。
環境負荷を抑えたグリーンコンピューティングの観点から、サーバー冷却装置には水冷式を導入している。GPUはCPUと比較して発熱量が大きく、一般的な空冷式では冷却効率および電気使用量に課題があるが、同社のコンテナ型データセンターソリューションは、冷却水を循環利用することで、空冷式と比べ使用電力を15~20%削減、計算リソースに使用できる電力を38%増加させている。
ピクセルカンパニーズは現在、経済産業省の補助金を受け福島県大熊町にコンテナ型データセンターの建設を進めており、2024年中の稼働開始を予定している。今回発表したソリューションは、同データセンターの建設を通じ培ったノウハウをパッケージ化して提供するもので、今後、日本全国にデータセンターを配置していく構想だ。同社は、お客様が生成AIを利用しやすい環境を整備することで、イノベーションを促進し競争力を向上できるよう支援していく方針である。