日本人のネットリテラシー低下が深刻化
サイバーセキュリティ企業NordVPNが実施した最新の調査によると、サイバーセキュリティとインターネットプライバシーに関する知識において、日本は韓国と並んで世界最下位の第12位だった。日本人は強力なパスワードの作成方法(92%)やアプリの許可を介してどのようなデータを共有すべきか(91%)は理解しているものの、仕事でAIを使用する際のプライバシー問題の認識には苦戦している(5%)。
この調査は、毎年実施されているナショナル・プライバシー・テスト(NPT)の一環で、世界181か国から25,567件の回答が集まった。その結果、世界のオンラインプライバシーおよびサイバーセキュリティ意識が過去数年にわたり低下し続けていることが明らかになった。
日本人の多くは、FacebookがFacebookを利用していない人のデータも収集できることを理解しておらず(42%)、SNSでの共有を避けるべき機密データに関する知識も昨年より6%減少した。一方で、サービスプロバイダが侵害されアカウント情報が流出した場合の対処法(43%)やフィッシングサイトの見分け方(5%増)については理解が進んでいる。
世界的に見ると、サイバーセキュリティスキルが最も高いのは30~54歳で、IT部門と金融業界の回答者が他より若干高いNPTスコアを獲得した。しかし、AIに関する2つの新たな質問が加わったことで、「プライバシー意識」と「デジタルリスク許容度」カテゴリーのスコアは昨年より下がっており、正しく回答できたのはわずか5%だった。
NordVPNの最高技術責任者であるマリユス・ブリエディス氏は、「デジタルの脅威の状況がかつてないほどの速さで進化している中、インターネットユーザーが個人情報保護の重要性を理解することは大切だ」と述べ、オンラインプライバシーとセキュリティを強化するためのステップとして、ユニークで強力なパスワードの使用、多要素認証の有効化、ソフトウェアの定期的な更新、VPNの利用、プライバシー設定の見直し、サイバーセキュリティについての継続的な学習を挙げている。