キッズライン調査、産後につらさを感じた親は69% 支援要望1位はベビーシッター
ベビーシッター・家事代行サービスを提供する株式会社キッズラインは、子を持つ親580名を対象に実施した「産後のメンタルヘルスとサポート利用に関する実態調査」の結果を公表した。産後に精神的なつらさを感じた親は69.0%に達し、その主な原因には睡眠不足など周囲のサポートで軽減できる項目が上位に挙がった。また、産後ケアの利用経験は前回の2024年調査から増加したものの、手続きの複雑さや利用施設の距離などが利用の障壁となっている実態も浮き彫りとなった。
産後の精神的負担を感じた親は約7割 半数が産後3か月以降にピーク


産後の精神状態について尋ねたところ、「精神的にとてもつらかった(今思えば産後うつだったと思う)」が23.8%、「精神的に少しつらいときがあった(今思えば産後うつ傾向があったと思う)」が45.2%となり、合わせて69.0%が負担を感じたと回答した。

つらさを感じた理由や原因では、2024年の前回調査に続いて「睡眠不足による疲労感」が83.8%で1位となった。次いで「出産後の体力低下・体調不良」が前回の4位から2位へ上昇した。上位には夜間対応やパートナーのサポート不足など、周囲のサポートによって軽減できる要因が多く並んでいる。


精神的につらかったピークの時期は、「産後2週間〜1か月以内」が45.0%、「退院後〜産後2週間」が36.5%、「産後1か月」が34.5%と産後1か月以内に集中した。一方で、「産後2か月」が24.5%、「産後3か月」が22.5%となり、産後3か月以降のいずれかの時期をピークに挙げた人は50.0%にのぼった。さらに「産後1年以上後」と答えた人も15.0%いた。

産後精神的に「あまりつらくなかった」「まったくつらくなかった」と回答した人にその理由を聞いたところ、「パートナーや親など身近な人から十分な家事育児のサポートを得られた」が71.1%で最多となった。次いで「パートナーや親など身近な人に十分な育児相談ができた」が44.4%、「便利家電(食洗機・乾燥機等)や宅配サービス等を活用し、家事を手放せた」が40.0%、「赤ちゃんがよく寝てくれるなど、睡眠サイクルが比較的安定していた」が36.1%、「自治体の産後ケアを計画的に利用した」が33.9%と続いた。

また、産後に身近でサポートしてくれた人(育児や家事、夜間対応を物理的に頼れる人)については、1位が「パートナー」で78.1%、2位が「自身の親」で53.6%、3位に「ベビーシッターや産後ドゥーラなど支援サービス」が33.8%となった。一方で「誰もサポートしてくれる人がいない」と回答した人も8.4%存在した。
産後ケアの利用経験は65.0%に増加 申請手続きや距離がハードルに

これまでに「産後ケア」や「産後ヘルパー」サービスを受けたことがあるかという質問では、「はい」が65.0%、「いいえ」が34.1%となった。2024年の前回調査時の46.7%から18.3ポイント増加している。

産後ケアを利用しなかった理由としては、「近くに利用できる施設・サービスがなかった」が32%で最も多く、次いで「申請・事前登録手続きが複雑で面倒だった」が30%、「利用料金などの経済的負担が気になった」が28.1%、「心身の疲弊により、利用を手配する気力がなかった」が25.1%、「身近なサポート(家族など)で足りていた」が21.2%となった。

求められる支援は新生児ベビーシッターなど在宅型が上位
産後のメンタルヘルスケアとして「これがあればとても楽になる」と思うサービス(最大5つまで選択)では、1位が「産後の外出や休息をとるための新生児ベビーシッターサービス」で57.2%、2位が「睡眠不足解消のための夜間育児サポート(ナイトシッター)」で52.1%、3位が「家事代行サービス(掃除・洗濯・料理・買い物代行)」で45.2%となった。上位3項目は前回調査と同様の結果となっている。施設を利用する「産後ケア施設への宿泊」(34.5%)や「日帰り産後ケア施設の利用」(13.6%)に比べ、自宅で受けられる支援を求める割合が高い結果となった。
キッズラインで活動する助産師の下川 由香子さんは、訪問型産後ケアについて、母親と赤ちゃんが普段過ごす家庭環境の中で支援でき、自宅での育児や暮らしの困りごとに気づいて整えられる点が価値であるとし、外出自体が負担になる時期だからこそ支援側が自宅を訪問する意義があるとしている。
調査概要および会社概要
【調査概要】
- 調査主体:株式会社キッズライン
- 調査期間:2026年8月26日(水)~9月1日(火)
- 調査対象:子を持つ親 580名(女性536名、男性34名、無回答10名)※男性はパートナーの産後の状況を回答
- 調査方法:インターネット調査
【株式会社キッズライン 概要】
- 代表者:福田太樹
- 所在地:東京都港区六本⽊5-2-3 マガジンハウス六本⽊ビル7F
- 事業内容:インターネットを使った⼥性⽀援事業、育児⽀援事業、家事支援事業
- URL:https://kidsline.me/
本記事は株式会社キッズラインの発表をもとに作成されています。また、本文中の公表データとして、こども家庭庁「令和6年度母子保健事業の実施状況等について」「令和9年度予算概算要求の概要(主な新規・拡充事業)」、および公益社団法人日本産婦人科医会・いのち支える自殺対策推進センター(JSCP)「いのちを育む妊産婦の危機 〜自殺の実態と今後の課題〜」(2026年度版)の資料を参照しています。
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