生成AIとロボで社会課題解決へ挑むJizai設立、元メルカリ執行役員が代表
株式会社メルカリで執行役員VP of Generative AI / LLMを務めた石川佑樹氏が代表を務める株式会社Jizaiが設立された。同社は、大規模言語モデル等の生成AI技術に関わるコンサルティングやプロダクトの開発・提供、及び汎用型AIロボットの開発を開始する。
日本をはじめとする先進国では、少子高齢化と労働力人口の減少が深刻な社会問題となっている。2050年までに日本の人口は約1億人まで減少すると予測され、生産年齢人口比率の低下が加速することが見込まれている。この人口動態の変化は、様々な分野での人手不足をもたらし、高齢者の日常生活サポート人材の不足、共働き世帯の増加に伴う家事や育児の負担増加、経済成長の鈍化といった課題に繋がる可能性がある。
これらの課題に対して、AIやロボティクスを活用した解決策が考えられる。生成AIによる生産性向上は、10年間でGDPを大幅に向上させる可能性があるとの試算もあり、ロボティクスとの組み合わせによってより大きな効果が期待できる。
一方で、生成AI・LLM技術は大きく進展しているものの、実際の社会価値に転換するアプリケーションはまだ発展途上であり、生成AI×ロボティクスの領域は研究段階にあるのが実情だ。
Jizaiは、先端技術探索と社会実装を劇的に進めることで社会に価値を創造する会社として設立された。AI・ロボット等の世界最先端レベルの論文・研究技術をいち早く実装し、お客さまや市場からの実データをAIの更なる改善や技術探索に活かすループを回していくことで、日本やグローバルの様々な社会課題を解決するプロダクトを作ることを目指す。
同社が開発する汎用型AIロボットは、高度なAI技術とハードウェアを組み合わせることで、様々な環境に適応して汎用タスクを高い成功率で自律的に遂行できるロボットを指す。大規模言語モデル(LLM)や視覚言語モデル(VLM)による制御により、従来のロボットと比較して柔軟で適応性の高いロボット制御を開発する。マルチモーダルAIによる制御とタスクの遂行を可能にするハードウエアを研究・開発することで、汎用型AIロボットの実現を目指す。
Jizaiの設立は、生成AIとロボティクスを組み合わせた革新的なソリューションにより、日本が直面する社会課題の解決に貢献することが期待される。