細野晴臣の先駆的名盤『omni Sight Seeing』が35周年、ヴィジュアライザー公開
細野晴臣の1989年のアルバム『omni Sight Seeing』が、2024年7月21日にリリース35周年を迎えた。このアルバムは、当時世界各地を巡りワールド・ミュージックの先導的な役割を担っていた細野が、80年代後半に掲げていた”観光音楽”の集大成となる作品。日本民謡からアラブ、中南米音楽など世界各地の音楽の要素を取り入れた、まるで音楽で世界旅行を体験するかのようなエレクトロニック・ポップの傑作だ。
35周年を記念して、アルバム収録曲「PLEOCENE」のヴィジュアライザーが公開された。これは2024年秋から始まる細野晴臣55周年プロジェクトの一環である「細野晴臣アルバム誕生日企画」の第2弾として制作されたもので、アルバムジャケットのアートワークをTakeru Shimaが映像化し、本アルバムの世界観を見事に表現している。
また、佐藤優介(カメラ=万年筆)による「omni Sight Seeing BIRTHDAY PLAYLIST」も公開された。佐藤は、”『omni Sight Seeing』という〈辺境〉の周辺”をテーマに細野の楽曲10曲をセレクトしており、『omni Sight Seeing』の静的でありながら無限に広がりを感じさせる音世界は、自分にとって永遠の憧れだとコメントしている。
『omni Sight Seeing』は、発表当時の1989年という、SoulⅡSoulやDe La Soul、The Stone RosesやNirvanaがデビューし、シカゴやデトロイトから新しいテクノの動きが生まれつつあった時代においても、日本のみならず世界的に特異点であったことが想像できる作品だ。
「細野晴臣アルバム誕生日企画」は、若い世代が映像やプレイリストを通じて細野晴臣の音楽に出会うきっかけになることを願ってスタートした企画である。アルバムリリース35周年となる細野晴臣の名盤『omni Sight Seeing』を、この機会に改めて聴いてみてはいかがだろうか。