Scene、3D類似検索ベータ版を2026年10月に一部顧客へ提供開始へ
製造業向けクラウド基盤「Scene Workspace」を提供するScene株式会社は、2026年10月より、3Dモデルの形状から過去の設計資産を検索できる新機能「3D類似検索」のベータ版提供を開始します。
設計中の形状そのものを検索キーにすることで、品番や命名規則を知らない担当者でも、過去の類似部品やユニット、装置に加え、紐づく仕様書やレビュー指摘、過去トラ情報までまとめて引き出せる環境を整えます。本ベータ版は一部の顧客を対象に提供される予定です。
開発の背景と部品増加による損失
従来の過去資産の検索手段は「品番で探す」「フォルダをたどる」「人に聞く」に限られており、いずれも言葉を入口とするため3D形状そのものからは探せない課題がありました。そのため、過去のデータにたどり着けず重複部品の作成や同じ検討作業、品質トラブルを繰り返す要因になっていました。
エンジニアは業務時間の約3分の1を非付加価値作業に費やしており、その最大の要因がデータ探しとされています。また、1件の部品番号を社内に存在させ続けるためには、調達・取引・在庫のコストを含めて年間4,500〜23,000ドル(約68万〜345万円、1ドル150円換算)がかかるとされています。

社内の部品番号のうち30〜40%が重複または代替可能とされており、年間の新規部品300件のうち20〜30%(60〜90件)が重複・不要な新設と仮定した場合、新規部品1点あたり年約30万円の目安では毎年およそ1,800万〜2,700万円の費用が積み上がる計算になります。
3D類似検索の特徴
3D類似検索では、設計中の形状をそのまま検索にかけることで、類似する部品単品だけでなくサブアセンブリや装置まで階層をまたいで検索できます。ヒットした3Dモデルからは、仕様書や設計の経緯、過去のDRでのレビュー指摘、過去トラ(不具合と対策)、見積・原価、サプライヤー情報までたどることが可能です。
また、ブラウザから利用できるため3D CADのライセンスを必要とせず、設計部門以外の担当者も活用できます。日々の業務が「Scene Workspace」上で行われることでノウハウが蓄積され、探せる情報が増えていく仕組みとなっています。

見積から生産準備までの活用場面
本機能は設計業務にとどまらず、幅広い工程での利用が想定されています。

- 引き合い・見積:過去の類似装置から実績原価やサプライヤー情報を引き出し、見積の即答や赤字受注の防止につなげます。
- 構想設計:流用元を探して類似ユニットや仕様書を引き継ぎ、車輪の再発明を防ぎます。
- 詳細設計:部品新設の直前に社内在庫を確認し、部品の標準化を進めます。
- 設計レビュー:過去の指摘やトラブル報告書を形状から引き出し、手戻り防止によるフロントローディングを図ります。
- 生産準備:類似装置の組立工程や作業手順書、治具を流用し、立ち上げ準備を短縮します。

なお、提供時期や仕様は同社の都合により変更となる可能性があります。
Scene株式会社 概要
- 本社所在地:東京都渋谷区桜丘町11-6
- 代表者:代表取締役 ビジャヤン・スワティナト
- 設立:2019年12月
- 事業内容:ものづくりのAIワークスペース「Scene Workspace」の開発・販売
- HP : https://www.scene.space
本記事はScene株式会社の発表をもとに作成しています。
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