豊中市、高校生世代の居場所を開設、全国初の取り組み

豊中市は、高校生世代の不登校や高校中退などによるひきこもりを未然に防ぐため、全国の自治体で初めてとなるユースホーム事業「できるカンパニー」を開設した。

近年、豊中市では不登校児童生徒数が増加傾向にあり、コロナ禍前と比べて2倍以上に上っている。義務教育修了後も、高校進学後の不登校や中途退学のケースが増えている現状がある。ひきこもりの約6割が不登校経験者だと言われており、不登校の長期化により社会経験が乏しくなり、将来的な就労への障壁となるケースが多い。そこで、早期の対応支援として本事業が始動した。

「できるカンパニー」は、学校に通えない、日中の居場所を求めている、高校中退後の進路に悩むなど、生きづらさを感じている高校生世代やその家庭が対象。生活の自立につながる就労や学び直し、基本的な生活習慣の形成を目的に、安全で安心できる居場所を提供する。

具体的な活動内容は、基本的な生活習慣の習得支援や生活指導、社会的自立に向けた個別・集団体験型プログラム、進学サポートや学習支援などである。利用には登録が必要だが、費用は無料となっている。

所在地は庄内西町4-19-6で、火曜日から土曜日の12時から18時まで開設される(祝・休日、年末年始を除く)。対象は豊中市内在住の高校生世代だ。

豊中市のこの取り組みは、高校生世代の社会的孤立を防ぎ、将来への希望を持てる環境づくりを目指す画期的な一歩として注目される。