コクヨ 新たな幸福指標We-Being提唱 社会実装に向けプロジェクト始動
コクヨは、人と人や人と場との関係性に着目した新たな幸福の指標「We-Being」を提唱し、その社会実装を目指す「We-Being Project」を始動しました。個人単位のウェルビーイング指標が主流となるなか、職場の孤独や孤立といった課題解決に向けたアプローチとして展開します。専門家との対話や実践者へのインタビュー、自律協働型AIの活用などを通じ、社内外に開かれた探求活動を進めていく方針です。
関係性に着目した「We-Being」提唱の背景
これまでウェルビーイングの指標は、自己成長や自己実現など個人を単位とする欧米の価値観をもとに作られてきたものが多く、個人主義的な価値観の進行に伴い社会的なつながりの希薄化が課題とされてきました。内閣府の「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和7年実施)」では約4割が孤独感があると回答したほか、コクヨと京都大学による2025年の9カ国調査でも、気軽に相談できる同僚の数は日本が平均2.0人と9カ国中で最も少なく、「1人もいない」という回答も約20%に上るなど、日本の職場における孤立の実態が浮き彫りになっています。
同社は、個人の自律と協働的なつながりが両立する「自律協働社会」をめざす未来像として掲げています。「We-Being」は、人や場への好奇心を通じて調和し、その協調関係を支えに自律的に行動できる状態と定義され、以下の3つの幸せで構成されています。

- わかちあう幸せ:仲間の成長や達成をわがごとのように感じられる幸せ
- なじむ幸せ:支え合う仲間や場があり、ここに居場所があると思える幸せ
- ひとなみの幸せ:「私もやれてる」という安心感から、今の自分をやさしく肯定できる幸せ
多彩な実践者へのインタビューや対話研究会を展開
プロジェクトでは、多様なアプローチによるコンテンツ発信や研究活動が予定されています。

「30VOICES」では、研究者や実業家、文化人など30人に幸せのかたちやキーワードを取材し、記事や動画として順次公開します。第1弾として、台湾の初代デジタル担当大臣であるオードリー・タン氏や、早稲田大学文学学術院教授のドミニク・チェン氏、作家で対話実践者の永井玲衣氏などのコンテンツが公開されます。

また、専門家や実務家との対話を通じて実践的アプローチを探る研究会「We-Being Dialogue」では、2026年に4つのテーマで鼎談を実施します。レポート記事や音声コンテンツを順次公開するほか、ポッドキャスト番組「「わたしたち」から働く幸せを考える〜We-Being Radio〜」でも配信を行います。国内外の場や空間を調査・分析する事例リサーチも進められます。
AIエージェントの公開と今後のグローバル展開
プロジェクトの推進に合わせて、3つの価値観を内部に持ち思考を行う自律協働型AIエージェント「We-chan」が公式サイト上で公開されました。プロジェクトのリサーチ結果を学習しながら成長し、利用者がWe-Beingを理解するためのサポートを行います。
今後は世界15カ国を対象としたグローバル調査や、招待制となる体験イベントの開催などを予定しており、詳細は今秋にあらためて発表される予定です。将来的にはWe-Beingの視点に基づいた空間や家具づくり、職場や教育空間、公共空間への社会実装を目指すとしています。
プロジェクトを率いるコクヨ・ヨコク研究所の田中康寛氏は、「We-Beingを生産性の道具にせず、囲い込みません」とした上で、共感する企業や組織、研究者らとともに概念を磨き、職場から学び舎や公共空間へと実装を広げていく姿勢を示しています。
- 公式サイト:https://we-being.net/
- 公式SNS:Instagram(@we_being_pj)、Facebook(@We-Being)、YouTube(@We-Being)、Spotify(@We-Being Radio)



本記事はコクヨ株式会社の発表および内閣府公表資料をもとに作成しました。
ビジネスパーソンの課題解決と納得感にこだわるDellows News編集部。キャリア論からAI、健康法まで幅広い分野に対応し、複雑なテーマでも平易な言葉で丁寧に解説。読者が「明日から使える」知識やヒントを得られるよう、具体的な事例・データ・専門家の見解を交えて執筆。情報を整理し、納得感ある記事づくりを心がけています。



