6月の食品値上げ614品目、円安影響拡大

帝国データバンクが実施した食品主要195社の価格改定動向調査によると、2024年6月の食品値上げは614品目に上った。前年同月の3775品目と比べると大幅に減少したものの、値上げ要因として円安の影響が顕著になってきている。2024年1月から10月までの値上げ品目のうち、円安要因によるものは29.2%を占め、前年同期の11.5%から約3倍に拡大した。

6月の値上げ品目数を分野別にみると、加工食品が329品目で最多となった。特に海苔製品で一斉値上げがあったほか、カカオ豆の価格高騰によりチョコレート製品や菓子類、ココア製品などでも値上げが目立った。また、オレンジ果汁を使用したジュースなども値上げとなった。

世界的な異常気象による不作・凶作で原材料価格が高騰しており、輸入原材料を多く使用する食品では今後も値上げが進む可能性がある。さらに、円安の影響も顕在化してきており、今秋にかけて円安値上げの割合がさらに高まることが予想される。

2024年後半の値上げは、店頭での値下げ圧力とコストアップの板挟みとなりながら、当面は月平均1千品目前後、年間で最大1.5万品目のペースが続くとみられる。ただし、円安が長期化または一段と進行した場合、予想品目数から上振れする可能性もある。