日本の屋根技術がマレーシアの蔦屋書店に上陸
ハウスケープ株式会社は2024年4月、マレーシアのブキット・ジャリル蔦屋書店にて日本の屋根工事業者4社合同のポップアップイベントを開催した。同店はASEAN加盟国初の「蔦屋書店」として、現地の文化を尊重しつつ日本の文化を取り入れた新たなライフスタイル提案を行っている。
イベント期間中は、一般の方向けに「折鶴を板金で作るワークショップ」や、屋根職人が作る瓦小物・板金小物の販売が行われ、日本の技術に触れる機会となった。ワークショップは即日予約が埋まり、小物販売は好評を受けて6月末まで追加販売されるなど、現地の方から多くの関心が寄せられた。
日本では住宅の新築着工棟数が減少しており、それに伴い屋根工事業者の中には閉業を余儀なくされる方もいる。また職人不足・高齢化も相まって、高度な技術を要する屋根職人の技術が失われつつあるのが現状だ。
ハウスケープは、屋根職人の技術を守るためには「新築からリフォーム市場への拡大」と「屋根工事以外の領域への技術の転用」が重要と考えている。今回のイベントは、屋根職人の技術を消費者向けの商品・体験として提供し、その価値をグローバルに広げていく第一歩となった。
イベントには、株式会社ウチノ板金(東京都)、長澤瓦商店株式会社(静岡県)、奥井板金店(三重県)、株式会社丸治瓦店(千葉県)の4社が出展。それぞれ板金や瓦を用いた小物や生活用品、ワークショップを提供し、日本の建築技術の魅力を伝えた。
各社の代表からは、「建築職人のグローバル進出は日本の建設業界のスタンダードになる」「日本の優れた素材と伝統技術を伝えられて嬉しい」「日本の伝統文化と職人技がさらに広まることを期待」など、前向きなメッセージが寄せられている。
ハウスケープ代表取締役の明正剛典氏は、「今回のイベントの成功は、日本の専門工事業者の高度な技術が海外に広がる大きな一歩となった。日本の高度な技術を絶やさないためにも、今後も積極的に海外でのイベントを実施していく」と述べた。
マレーシアは多民族国家であり、互いの文化や宗教、言語を尊重し合う「グローバル社会」だ。日本の屋根技術を通じた文化交流が、今後さらに広がりを見せることが期待される。