京産大とバイオームが協力、いなべ市でDX活用の生物調査プロジェクト始動

京都産業大学と株式会社バイオームは、三重県いなべ市と協力し、DX技術を用いたグリーンインフラの定量的評価と社会実装を目指す新たなプロジェクトを立ち上げた。このプロジェクトは、内閣府が推進する戦略的イノベーション創造プログラム第3期の一環として実施される。

プロジェクトの第一弾として、スマートフォンアプリ「Biome」において、市民共同で市内の生物を調査するデジタルコンテンツ「イナッチュクエスト」の配信が開始される。「イナッチュ」という名称は、Inabe(いなべ)とNature(自然)から名づけられた。

「イナッチュクエスト」は、2023年5月18日から6月30日まで開催され、市内の全生物を対象とするビギナー編と、春から初夏にかけて見られる特定の野草を探すエキスパート編が用意されている。参加者は、「Biome」アプリをインストールし、いなべ市内でいきものを撮影して投稿することでクエストに参加できる。クエスト達成者には、オリジナルバッヂが贈られる。

「Biome」は、日本国内のほぼ全種(約10万種)の動植物を収録したいきものコレクションアプリで、最新の生物名前判定AIや図鑑、地図、SNS、クエストなどの機能を備えている。誰でも無料で使用でき、多種多様な生物の情報収集、調査、研究への展開が期待されている。

いなべ市は、鈴鹿山脈、養老山地、員弁川といった豊かな自然の中に位置し、自然環境が有する多様な機能を活用し、持続可能で魅力ある地域をつくる「グリーンインフラ」の取り組みが先進的に行われてきた。今回のプロジェクトは、グリーンインフラが持つ重要な機能の一つである「生物の生息・生育の場の提供」を調べることを目的としている。