磯野真穂の新刊 社会が壊れるその前に 重版決定 メアリ・ダグラスの人類学を読み解く
人類学者で東京科学大学リベラルアーツ研究教育院教授を務める磯野真穂さんの著書『社会が壊れるその前に メアリ・ダグラスの人類学』の重版が決定した。同書は新潮選書として新潮社より刊行されたもので、発売後に新聞各紙で取り上げられるなど反響を呼んでいる。
本書は、イギリスの人類学者メアリ・ダグラスの理論を手がかりに、現代社会に蔓延する孤独や不安、競争との向き合い方を考察した作品となっている。
書店グループのランキングで1位を獲得
本書は発売後、書店の販売ランキングでも上位を記録している。「丸善ジュンク堂書店グループ 選書ジャンル 10/5-10/11」および「くまざわ書店グループ 選書・ライブラリージャンル 9/28-10/4」にて、それぞれ1位を獲得した。
著者の磯野真穂さんは、2019年に刊行した宮野真生子さんとの共著『急に具合が悪くなる』が濱口竜介監督によって映画化され、カンヌ国際映画祭で最優秀女優賞を獲得するなど、注目を集める研究者である。
昨今、ビジネスの分野でも人類学が注目を集めるなか、同書が光を当てるのはイギリスの人類学者メアリ・ダグラス(1921-2007)の著書『ナチュラル・シンボル(Natural Symbols)』である。
約半世紀前に記された同書は、苛烈な競争社会や能力資本主義の到来、人々の孤独や不安の増大、社会の分断などを警告したほか、セカイ系や推し活といった現象の広がりを仄めかしていたとされる。本書は「象徴」をキーワードにダグラスの人類学を現代に即してアップデートし、感情の暴走から社会を守るための視座を提示している。
境界や分類をめぐる問題意識
刊行にあたり磯野真穂さんは、過去の著作の刊行後に境界をなくすことなどを称賛する意見に触れるなかで、何かを分類したり境界を設けたりすること自体を問題視する風潮に違和感を抱いたと振り返る。構造や境界があるからこそ、そこからはみ出る存在や偶然性が価値を持つとし、批判を急ぐあまりその視点が失われているのではないかと問いかけている。
磯野さんは、「社会はなんだかおかしな方向に向かっているし、社会を良くしようとする試みすら、社会を悪くしているような気さえする。そんなことを感じている人たちに本書が届けば望外の喜びです」とコメントを寄せている。


書籍データ
- タイトル:社会が壊れるその前に メアリ・ダグラスの人類学
- 著者名:磯野真穂
- 発売日:2026年9月28日(月)
- 造本:新潮選書(四六判変型ソフトカバー)
- 本体定価:1,980円(税込)
- ISBN:978-4-10-603953-9
- URL:https://www.shinchosha.co.jp/book/603953/
本記事は新潮社の発表をもとに作成。
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