Dellows News

ウフル、CEATEC 2026でスタジアム・アリーナの変革テーマにセッション

東京都港区に本社を置く株式会社ウフルは、2026年10月13日(火)に幕張メッセで開催された「CEATEC 2026」のオープニングセッション「観戦を超える、スタジアム・アリーナのトランスフォーメーション」に登壇しました。セッションでは、同社代表取締役社長CEOの園田 崇史がモデレーターを務め、株式会社NTTドコモ、三井不動産株式会社、株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメント、ぴあ株式会社の4社とともに議論を展開しました。会場では、スタジアム・アリーナを起点としたまちづくりや新たなビジネス、ファン体験、AI・テクノロジー活用の可能性について意見が交わされました。

成長するスタジアム・アリーナ市場とリアル空間への着目

近年、スタジアム・アリーナは単なる観戦施設から、商業や観光、地域、企業、テクノロジーが交わる場へと役割を広げています。株式会社帝国データバンクの「スタジアム・アリーナ運営主要50社の動向調査(2025年)」によると、スタジアム・アリーナ運営主要50社の売上高合計は約3,800億円に達し、コロナ禍前の2019年度と比べて約20%増加するなど市場の成長が続いています。

株式会社ウフルはこれまで、大規模スタジアムにおけるVIPエリアの高度化支援やモバイルオーダーシステム「売り子ール」の提供を通じて、野球、サッカー、バスケットボールなど約20の球団・クラブを支援してきました。また、スタジアム・アリーナ特化型メディア「THE STADIUM HUB」の運営なども手掛けています。セッション冒頭、園田 崇史はCEATECの場だからこそ技術そのものだけでなく実装される「リアルな空間」にも目を向けたいと説明し、テクノロジーとリアルの融合による変化について議論を始めました。

通信技術や商業連携による体験価値の向上

登壇した各社からは、施設運営やまちづくりの具体的な事例が紹介されました。株式会社NTTドコモ コンシューマサービス本部 エンターテイメントプラットフォーム部 ベニュービジネス 担当部長の田中 洋市氏は、MUFGスタジアム(国立競技場)やIGアリーナへの運営参画を紹介しました。従来の施設貸出ビジネスから、スポンサーシップやスイートルーム、飲食、アプリを組み合わせて事業価値を高める方針を示したほか、次世代通信インフラ「IOWN」を活用して離れた会場同士をつなぎ、複数の場所で一つのライブ体験を生み出す取り組みに触れました。さらに、イベント時の人流や消費を可視化して地域への経済効果を示す重要性についても言及しました。

三井不動産株式会社 商業施設・スポーツ・エンターテインメント本部 スポーツ・エンターテインメント事業部長の二井内 宏之氏は、東京ドームシティやLaLa arena TOKYO-BAYを例に、商業施設とスポーツ・エンターテインメント施設を一体的に捉えた展開を語りました。試合やライブの前後にもポップアップストアなどを展開して一日の体験全体を設計する手法を挙げ、商業施設を「体験できるメディア」へと進化させていく考えを示しました。また今後のテクノロジー活用として、グッズ待機列の緩和やチケットリセールなど、来場者のストレス解消への期待を述べました。

地域連携による空間づくりと持続可能な事業モデル

株式会社ファイターズ スポーツ&エンターテイメント 事業本部 営業統括部 営業企画推進部 部長の正田 直也氏は、エスコンフィールドHOKKAIDOを中心とした北海道ボールパークFビレッジの事例を紹介しました。認定こども園や住宅、農業体験施設を備えた「街」として開発を進め、滞在時間を伸ばす取り組みを説明しました。また、同施設を「みんなで作り、みんなで育てる共同創造空間」と位置づけ、市民によるガーデンボランティアやエスコンフィールドでの大学入学式といった地域連携事例を挙げました。演出制作などでのAI活用についても、業務の質やスピードの変化とともに新たな演出の可能性に言及しました。

ぴあ株式会社 取締役執行役員の川端 俊宏氏は、情報誌「ぴあ」からチケット販売、アリーナ運営、ホスピタリティ事業へと展開してきた歴史を「感動のライフラインの構築」という理念とともに振り返りました。産業の持続的成長には体験価値を高めてビジネスとして成立させることが重要だとし、専用入場口や特別エリアでの体験を提供するVIPホスピタリティや、その収益を高校生の職業体験につなげる「ドネーション型ホスピタリティ」の事例を紹介しました。今後はテクノロジーやAIを活用し、購入から会場体験までをスムーズにつなぐ環境づくりを目指すとしています。

AIとテクノロジーが切り拓くファン体験の未来

セッション後半では、AIやテクノロジーを活用した体験の進化がテーマとなりました。園田 崇史は、初めてスポーツや音楽に触れる人にもストーリーを知ることで深く楽しんでもらえるよう、AIをはじめとするテクノロジーで「ファンエンゲージメント」や「ファンジャーニー」を支援する重要性を語りました。

終盤には、国内のスタジアム・アリーナの取り組みを、日本企業が持つテクノロジー、コンテンツ、施設運営、ホスピタリティなどの強みと掛け合わせ、企業の垣根を越えて海外へ展開していく未来についても意見が交わされました。株式会社ウフルは今後も、AIやデータを活用した共創を通じて、スタジアム・アリーナを起点とした新たな顧客体験やビジネスの創出、地域活性化に取り組んでいくとしています。

本記事は株式会社ウフルの発表をもとに作成しました。市場データは株式会社帝国データバンク「スタジアム・アリーナ運営主要50社の動向調査(2025年)」に基づきます。

アクセスランキング

今日

1週間