松家仁之の小説火山のふもとで仏メディシス賞とフェミナ賞の外国小説部門最終候補に
作家の松家仁之氏による小説『火山のふもとで』が、フランスの文学賞「メディシス賞」および「フェミナ賞」の両賞において外国小説部門の最終候補にノミネートされた。フランス語版の翻訳はデボラ・ピエレ=渡邉(Deborah Pierret-Watanabe)氏が担当している。受賞作はメディシス賞が11月2日、フェミナ賞が11月6日に発表される予定となっている。


9か国・地域で翻訳出版を展開
同作は読売文学賞を受賞したデビュー作で、これまでに韓国、アメリカ、イギリス、スペイン、フランスなど9つの国や地域での翻訳出版が決まり、順次刊行が進められている。
スペインでは刊行直後から20紙以上で書評掲載が相次ぎ、重版が続いた。イギリスではデュア・リパ氏が主催するブッククラブ「Service95」で近代と伝統の衝突を描いた作品として評されたほか、アメリカの文芸誌「Electric Literature」やハンガリーの総合誌「Kriktika」などのメディアでも取り上げられている。

韓国では12万部を超える実績を記録
韓国では題名を「여름은 오래 그곳에 남아」(김춘미 번역)として出版され、12万部を超える部数を記録している。現地ではノベルティグッズや特装版が展開されたほか、2025年8月には大手書店チェーン「教保文庫」による「21世紀の名作50冊」にも選定された。現地の作家であるキム・ヨンハ氏やチョン・ジヘ氏らも作品への言及を寄せている。

作品の概要と著者の経歴

『火山のふもとで』は、北浅間の「夏の家」に仕事場を移動する村井設計事務所を舞台に、国立現代図書館の設計コンペへ向けた作業や所内の人間模様を描いた長篇小説である。2025年1月に刊行された文庫版には、著者自身が学生時代から28年間にわたる編集者時代を経て本作を書き始めるまでの歩みを綴った「文庫版へのあとがき」が収められている。
著者の松家仁之氏は1958年東京生まれ。編集者を経て2012年に同作でデビューし、読売文学賞を受賞した。その後の著作に『沈むフランシス』『優雅なのかどうか、わからない』『光の犬』(河合隼雄物語賞、芸術選奨文部科学大臣賞受賞)『泡』がある。また、2026年3月には同作に登場する建築家・村井俊輔を主人公に据えた新作長篇小説『天使も踏むを畏れるところ』(上・下)の刊行が予定されている。

書籍情報
- タイトル:火山のふもとで
- 著者名:松家仁之
- 発売日:2025年1月29日
- 造本:文庫
- 定価:935円(税込)
- ISBN:978-4-10-105571-8
- URL:https://www.shinchosha.co.jp/book/105571/
本記事は新潮社の発表をもとに作成されています。
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